日々モラハラ夫の暴言に苦しんでいる妻をさらに追い詰めるのが、 周囲からの理解のない発言や、アドバイスによって引き起こされる心のダメージであるモラハラ二次被害です。
アドバイスをくれる人達に悪意はなく、むしろ善意でアドバイスなどくれるので、余計にモラハラ被害者を苦しめます。
今回はモラハラ二次被害についてと、二次被害を受けないための方法をご紹介します。
モラハラ二次被害とは?
モラハラ夫の暴言に悩み苦しんでいる妻が、
もうガマンの限界だ!
と周りの友人や家族に相談したときに、相手は悪気はなく下記のようなことを言ってきませんか?
- そんなの夫婦ならよくあること」
- 「あんないいだんなさんなのに信じられない」
- 「それくらいの暴言うちもあったわよ」
- 「売り言葉に買い言葉でつい言ってしまったことじゃない?」
- 「相手も悪気はないわよ」
- 「ただの口ゲンカでしょ」
あげくの果てには
「お互いの努力不足」
「あなたも悪いところがあるんだから」
などと、説教されてしまうパターンも。
モラハラ被害を受けている人なら、だれでも一度や二度は経験があるんじゃないかと思います。
これらの言葉は、モラハラの被害を受けている妻をさらに傷つけ、
「どうしてわかってもらえないのかな・・・」
と、ますます追い詰めてしまいます。
普通の夫婦でも、感情的になって相手を否定したり、傷つけることもありますよね。
だから表面上の言葉だけをとって
「そんなのよくあること」
「うちだってそんなことあるわよ」
「うちなんてもっとすごいケンカしたわよ」
と、悪気なく言うんです。
モラハラ被害者は
何か違う・・・
そうじゃないんだけど・・・
と思うのですが、何が違うのかうまく説明できません。
理解されないモヤモヤ、自分の気持ちをうまく伝えられないイライラに、ひどい衝撃とダメージを受けてしまいます。
モラハラ夫からの虐待行為を被害者が友人に相談しているのに、なぜか善意のアドバイスで被害者を傷つけ追い詰めるなんて奇妙ですよね。
モラハラと夫婦ゲンカはまったく違う
ここで知っていてほしいのは、 モラハラと一般的な夫婦ゲンカはまったく違うということです。
根本的に普通の夫婦とモラハラとは、その関係性が全く違います。
一般的な夫婦ゲンカと大きく違うのは、モラハラはマインドコントロールによる支配に基づく暴力です。
モラハラの被害を受けたことがない人には、その関係性は到底理解できません。
健全な愛情や信頼関係があれば「これ以上言ってはいけない」という常識や、相手の意見に歩み寄り、お互いが納得できる落としどころを探し、きちんと話し合いが成立します。
モラハラ夫との間には、本来ならどこの夫婦にも存在する「対等で健全な信頼関係」が全く存在しません。
モラハラ夫にとって、「妻はタダでこき使える家政婦」「心のない家事育児ロボット」くらいにしか思っていないのです。
妻の意見なんて全く聞きません。
妻の意見を聞く必要性も感じていません。
普通の夫婦ゲンカとは違う!と心の中で思っていても、表面上の言葉尻だけとればただの夫婦ケンカと変わらないから、被害者本人にもわからないのです。
うまく説明できない自分にイラ立ち、誰からも理解されずにさらに追い込まれていきます。
まるで理解者のような顔をした善意のアドバイスは、鋭いナイフのようにモラハラ被害者の心をえぐります。
モラハラ夫からの虐待で傷ついた心に
という苦しみが、さらに被害者を苦しめ、二次被害へと広がっていくのです。
モラハラ夫は、自分だけが正しいと思い込み、事実を捻じ曲げても相手を非難します。
明らかにモラハラ夫が間違っているようなことも、決して認めず自分だけが正しいと思っています。
しかもモラハラ夫は、自分が被害者でまるで妻が加害者かのように装います。
加害者であるモラハラ夫が、被害者のような顔して本来の被害者である妻を責め続けます。
混乱した妻は被害者であるにもかかわらず「やっぱり私が悪いんだ」自分を責めてさらに傷つくのです。
私自身、友人に相談したときに
と言われ、違和感を感じるんですが、何が違うのかそのときはよくわかりませんでした。
ただ「違うの!違うの!」と心で叫ぶんですが、なにがどう違うのかをうまく説明ができずに、ひとりもんもんと苦しみました。
でも今はわかります。
そもそもの関係性が、根本から違うのです。
モラハラは相手を支配し、マインドコントロールによって被害者が加害者のように感じる異常性があります。
しかし普通の人は、夫婦間でそんな支配やマインドコントロールが存在するなんて、想像できないですよね。
冷めた夫婦関係であったとしても、虐待や嫌がらせをわざわざするなんて考えられません。
普通の人はその根本的な関係性が理解できないので、いくら説明しても理解してもらえないのです。
この異常な関係性こそがモラハラなんですが、一般的には伝わりにくく理解されないところが、モラハラが世間でなかなか認められない理由なんだと思います。
二次被害をふせぐためには
モラハラを受けたことのない普通の人が、モラハラを理解するのは不可能だと思った方がいいと思います。
さらっと相談してみて、
「わかってもらえないみたい」
と感じたら、すぐにモラハラ夫の話題はやめた方が無難です。
なんとか理解してほしくてモラハラ夫について、一生懸命あれこれ話しても、結局理解されなければ傷つくのはあなたです。
モラハラという虐待は非常に複雑です。
モラハラを受けたことのない人が、モラハラを理解できないのは当然といえます。
二次被害にあわないために、理解してもらえそうにないと感じたら、さっと引いてダメージを最小限にとどめるようにしましょう。
モラハラに詳しい専門家がいる、専門の窓口に相談することをおすすめします。
無料で相談できるので、気になる機関もありますので相談してみてくださいね!
まとめ
実際に起きたことを言葉にすると、とてもチープでささいな出来事のように聞こえます。
出来事や言葉だけを聞くと、ささいなどこにでもある夫婦ケンカのように見えても、ふたりをまとう空気の重みと、モラハラ夫からのプレッシャーや圧力は、普通の夫婦とは全く異なって不健全でいびつです。
なかなか一般の人には理解されないと知って、二次被害のダメージは最小限にとどめるようにしてもらいたいです。
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