妻に対してひどい暴言を、はき平気で嘘をついて妻を陥れ、無視するなどの精神的嫌がらせを平然とやってのけるモラハラ夫。
夫がこのように平然とモラハラ行為を行うようになったのは、 夫の幼少期の家庭環境に大きな原因があると考えられます。
以前このブログでも
「モラハラが子どもに与える影響5つ!わが子をモラハラにしないために」
という記事でもご紹介しましたが、今回はモラハラ夫に焦点をあてて、モラハラの原因についてご紹介します。
モラハラ夫になってしまった原因とは
モラハラの人の多くは、自己愛性人格障害である場合が非常に多いです。
例え自己愛性人格障害と診断されなくても、自己愛性人格障害の特性は多かれ少なかれ持っているのがモラハラだといわれています。
モラハラ、つまり自己愛性人格障害になる原因は、多くの場合幼少期の家庭環境が大きく関係しているといわれています。
親からの愛情不足
昔からよく言われることですが、 幼少期に親から十分な愛情を受けなかった子どもは、その後の人格形成に大きな影響を及ぼします。
子どもに対する愛情とは、ただ優しく接して好きなことを好きなだけやらせてあげることではありませんよね。
子どもが将来世の中に出た時に、困ったり恥をかいたり、 人に嫌われないために、ものごとの善悪を教え、人に対する礼儀を教え、やっていいこと悪いこと言っていいこと悪いことをしっかりと教える必要があります。
ときには厳しく叱り、ときには感情的になったとしても、親は子どもにいつも真剣に向き合っていることを伝えなければ子どもに愛情は伝わりません。
幼少期に親から愛情を受けなかったことで、モラハラ夫は愛情の受け方がわからず、妻の愛情や献身的に尽くしてくれてもなにも伝わりません。
そして親からの愛情を受けなかったために、言っていいこと悪いことの区別もわからず人の気持ちもわからないので、平気で人を傷つけるような暴言を吐くのです。
また 親の愛情不足や過保護、過干渉が原因で脳の前頭前野がうまく発達しなくて、モラハラ脳になるともいわれています。
溺愛されて育った
過保護で過干渉ともいえますが、溺愛されてゆがんだ愛情を受けて育った場合も危険です。
親から自分の意思を尊重されず手や口を出されすぎた子どもは、自己肯定感が育たず自分の存在価値を認めさせるために、自分より弱い者をいじめるようになります。
また
「自分は特別な人間だ」
「自分が一番偉い」
「自分のいうことはなんでも聞いてくれて当たり前」
と信じて育つと、人を見下して自分の思い通りに動いて当然と思い、何か問題があってもすべて他人に責任を押し付けます。
1歳2歳くらいの頃は、周りの大人がなんでも自分の望むことをやってくれて、自分の思い通りに回りが動いて当然と思っています。
しかし成長の過程で
「なんでも自分の思い通りにはならない」
という壁にぶち当たり、「自分と他人は別人格だ」ということに気づくものですよね。
親が溺愛しすぎてなんでも好き放題やらせた結果、その壁にぶち当たることなく、 自分と他人の境界線もあいまいなまま大人になり、「なんでも自分の思い通りに動く」ことが当然と信じてしまいます。
自分と他人は別人格ということが理解できない2歳児で、心の成長が止まってしまいます。
人の痛みや感情がわからないまま大人になり、モラハラ行為をしてもなんとも思わないし、なんの抵抗もありません。
虐待やモラハラを受けて育った
虐待やモラハラを受けた子どもは幼心に
「気に入らないことがあれば暴力をふるってもいいんだ」
「自分よりも弱い者をいじめてもいいんだ」
と思うようになります。
自分の思い通りに相手を動かすのは、暴力で押し付けた方がてっとり早いと、まちがったことを学んでしまったのです。
そのためモラハラ夫は、妻に対して威圧的な態度をとるんです。
またネグレクト(育児放棄)を受けた子どもは、
「自分は愛されない存在だ」
と自信をなくし劣等感抱きやすくなります。
そのために自分の抱えている劣等感から抜け出すために、妻にモラハラ行為をして優越感を得ようとするのです。
親に対する無意識の怒りが妻へ向く
モラハラ夫は親から間違った教育を受けたために、大人になってから周囲と常識が違うことに悩まされることもあります。
私の夫も、子どもに対し
「○○をしたからお前が悪い」
と理由も聞かずに怒り、
「いいからとにかく謝れ!」と、
ただ謝ればいいなどという教え方をする場面もありました。
子どもが何かしたら、ことあるごとにワケも聞かずにただ「謝れ」と怒る。
子どもにどうしてそんなことをしたのか、何があったからこうなったのか、理由も何も聞かずに頭ごなしに怒ります。
夫は、おそらくそのように育てられたのでしょう。
「謝ればそれでいい」
「謝ったのだから許してもらえて当然」
と思っています。
だから同じことを何度も繰り返し、反省もせずにただ謝るだけ。
謝ったからいいやろと開き直るのです。
正しいことを教えてもらえなかった子どもは、いつかどこかで周囲の人とのギャップに悩むでしょう。
(もちろんそれに気づかず悩まない人もいます。私の夫のように)
親はなにが正しくて何が間違っているのか、言っていいこと悪いことの区別、善悪の区別を子どもの頃にしっかりと教えなければいけません。
それを教えてもらえなかった子どもが大人になってから、周囲とのギャップに気づき
「なんでこんな風に育てたんだ!」と無意識の中で怒りを感じるそうです。
しかしそれを実際に親に向けることはありません。
モラハラ夫からしたら、親はいつまでも「自分より強い」存在であったり「褒められたい」存在なのです。
そのため親の前ではおとなしくいい子ぶり、代わりに親に対する無意識の怒りを、身近な妻に向けるのです。
モラハラ夫への同情は禁物
モラハラをする人はほとんどの場合、幼少期での家庭環境が問題である場合があります。
親の愛情不足やゆがんだ愛情、虐待やモラハラなど、幼少期の傷が今モラハラという形で表れているのですから、ちょっとかわいそうな気になりますよね。
それが夫ならなおさらです。
しかしだからといって
「私が彼を支えてあげなくちゃ」
「彼の傷をいやしてあげたい」
などと考えるのは危険です。
前回のブログでご紹介した、これこそ共依存の状態です。
モラハラ夫は、妻のそんな献身的な気持ちに応えることはありません。
むしろそんな妻のやさしさを利用してさらにモラハラ行為を劇化していくのです。
同じような環境に育ちながらも、モラハラになることなく誠実に思いやりをもって生きている人も大勢いるのです。
結局モラハラになる人は、自分自身の問題から目をそむけ、責任を自分以外に押し付け逃げてきた人なんです。
過去に辛い思いをしたからといって、今目の前にいる人を傷つけていい理由にはなりません。
モラハラ夫を
「治したい」
「傷をいやしてあげたい」
と思ったとしても、 同情しすぎずにあなた自身や、子どもの心のケアを一番に考えるようにしてくださいね!
まとめ
モラハラ夫になる原因の多くは、幼少期の家庭環境にあります。
親からの愛情不足や過保護・過干渉・溺愛などゆがんだ愛情だったり、親からの虐待やモラハラを受けたことなどです。
モラハラ夫がとても辛い幼少期を過ごしてきたことで、同情する気持ちもわからなくはありません。
だけどだからといって、あなたや子どもに対するモラハラ行為をしていい理由にはなりません。
ヘタをすれば子ども自身が将来夫のようなモラハラ人間になるかもしれないのです。
そうすれば子どもの結婚相手や孫、そしてなにより子ども自身が辛い人生を歩むことになるんです。
モラハラの連鎖を断ち切るためにも、早くモラハラ夫と離れること。
もし本気で更生させたいと思っている場合でも、 ひとりでなんとしようとしないで専門家の力を借りるなどして、子どもとあなたの心のケアを第一に考えるようにしてください。