モラハラ夫って、多かれ少なかれお金に細かくてケチな人多くないですか?
自分は平気で万単位のお金を使うのに、妻がお金を使うのは1円だって許さない人や、ひどい場合は生活費を渡さないケースもありますよね。
それってもしかしたら、経済的DVかもしれません。
今回は経済的DVについてや、経済的DV対処法などご紹介します。
経済的DVってなに?4つの特徴
経済的DVって聞きなれない言葉ですが収入のある夫が、妻から金銭的な自由を奪って支配する行為のことで、これも暴力の一種なんです。
お金の自由を奪われることは、人として生きる権利を奪われるのと同じですよね。
経済的DVの被害者の多くは専業主婦です。
特に妊娠や出産直後など、妻が働けず夫の収入だけで生活するようになってから経済的DVが始まるケースが多いのです。
借金やギャンブルなどの浪費癖もなく、生活費もきちんと入れてもらっているからと、自分が経済的DVだと気づいていない人もたくさんいますが、 モラハラ夫は多かれ少なかれ経済的DVを含んでいる場合があります。
経済的DVの特徴を見て、あなたの夫はどうなのかチェックしてみてください。
通帳や給与明細を渡さず、最低限の生活費しか渡さない
経済的DVの中には夫が家計のすべてを管理していて、妻は夫から生活費をもらってやりくりする場合が多くあります。
もちろん夫婦が納得していれば、夫が家計の管理をするのはいいと思いますが、給与明細や通帳などを見せてもらえなかったり、渡される生活費が少なすぎる場合が問題です。
夫にある程度の収入があるのに、明らかに足りない金額や最低限のお金しかもらえないなどは、経済的DVにあたります。
お金が足りないと夫に訴えると、不機嫌になったり怒ったりされると、お金を催促することがどんどん苦痛になっていきます。
お金を支配されると、妻は立場がどんどん弱くなってしまいます。
お金の使い道を細かくチェックする
「うちは家計は私が握っているし通帳も明細ももらっているから大丈夫」
と他人事のように思っていませんか?
だけどちょっと待って!
こんなことを言ってくるなら要注意です!
- 目新しいものを見つけたら「これ買ったの?」「必要ないでしょ」などとチェックが入る。
- 「新しい服や化粧品は必要ないでしょ」などと言われる。
- たまに友達とランチに行くと「専業主婦はいいね。だんなの金でランチなんかできて」などとイヤミを言われる。
- レシートと引き換えじゃないとお金をくれない。
- もしくはレシートを必ず見せないといけない。
私もそうでした。
夫は目新しいものを見つけると、どんなに安いものでも第一声が
そんなの持ってた?
それ買ったの?
でした。
「お金は自由に使ったらいい」と口では言っていましたが、 毎回買ったものをチェックされるのがストレスになり、私は夫と一緒のとき以外はほとんど自分の買い物はしないようになりました。
事後報告になったときなどは、夫が機嫌が悪くならないかなんとなくビクビクしていました。
私の夫も、多少の経済的DVが含まれていたんです。
自分が欲しいものを買うときには、夫にお伺いをたてて買わないといけないことが非常にストレスでしたね。
普通の夫婦では、「お金を自由に使っていい」なんていいませんからね。
このセリフを言っている時点で
俺様の金をお前に使わせてやっている
と思っている証拠です。
妻が働くことを嫌がる
妻が外で働くことを嫌がる、もしくは認めない夫は経済的DVに当たります。
これはモラハラ夫、、妻から金銭的な自由を奪うことで上下関係を作り、妻を支配したいからです。
反対に夫は働けるのに働かず、妻ひとりを働かせて、妻の給料を夫が使い込むなども経済的DVにあたります。
専業主夫として、夫が妻の代わりに家事育児をしてくれて、家計を任せているのであれば別ですが、家事育児もしないで、妻の稼いだお金を自分のためだけに好きに使うなどです。
黙って借金をしたり家のお金を勝手に使う
知らない間にギャンブルなどで借金をしたり、家族に黙って高価な買い物(自分の趣味や自分の好きな車など)をすることも経済的DVになります。
モラハラ夫は
オレの稼いだ金はオレのもの
妻が稼いだ金もオレのもの
と、ジャイ○ンみたいなことを本気で言います。
家族のために使うお金はケチるくせに、自分の欲しい物は高額でも平気で家族の預貯金から購入するようなタイプは、借金などを作る可能性があるため特に要注意です。
経済的DVのボーダーラインは明確ではない
経済的DVは世帯収入もバラバラで、いろんなケースもあるために、
「○○円しかもらってないから経済的DVになる」
とは一概にいえません。
そのため経済的DVのボーダーラインは明確ではなく、非常にあいまいです。
ただ妻が専業主婦の場合、夫の収入は夫ひとりのものではありません。
夫の収入は家族全員のものです。
夫は金銭的に余裕があって自由に使えるお金があるのに、妻には自由に使えるお金がない、生活費が足りないのに渡してもらえないなど、夫婦の間に経済格差が生まれることが問題なんです。
夫婦には「生活保持義務」といって、夫婦は同じ生活レベルで暮らせるように、助け合う義務があるのです。
金銭的な自由を奪うことで妻を支配し、身動きできないような状況まで追い込むことが、経済的DVの判断基準になるようです。
経済的DVの対処法5つ
お金に細かいからといって、すべての夫が経済的DVではありません。
夫が経済的DVなのかを見極める意味でも、まずは夫婦で話し合うことが重要だと思います。
本当に生活費が足りないと訴えて話し合う
もし夫の経済的DVだけで悩んでいるなら、夫婦できちんと話し合ってみるといいかもしれません。
本気でこの金額で生活ができると思っている夫も多いからです。
一人暮らしをしたことがない男性は、生活するためにいくらかかるのか本気でわからない人もいます。
逆に一人暮らしをしていたからこそ、「この程度の生活費で足りる」と考える男性もいるかもしれません。
子どもにかかるお金や女性の化粧品代など、生活費に関してよくわかっていない男性もいますから、話し合うことで
「本当にお金が足りないんだ」
と夫が理解してくれれば解決するかもしれません。
話し合いの際は、収支がわかるような家計簿やレシートなどを一緒に見せると効果的です。
無駄使いはしていないことや実際にマイナスになっていることを見せて、夫に家計の現状を知ってもらうのです。
本当に生活費が足りないと理解できていない場合もありますので、きちんとレシートをとって実質的にこの金額では生活できないと理解させることも大事です。
たとえば「生活費は7万円以内で」と言われていたとします。
「7万円では足りない」と妻が訴えたとしても、
それはお前の管理が悪いからだ
無駄なものを買いすぎているんだ
などと言われるでしょう。
その場合は、面倒ですが
- 明細(レシート)はノートなどに貼るなどして保管
- どんな商品をいくらで購入したか
- この商品はほぼ底値で購入した
- 特売だったので複数購入した
- 値上がりしていたけどこういう事情で必要だった
その商品の価格の変動や購入しないといけなかった理由なども合わせて、一目でわかるようにチェックをいれておきます。
めちゃくちゃ面倒ですが、生活費の平均値を知るためにも、最低3ヶ月は続けましょう。
そして、
「かなり頑張って節約したけどどうしても生活費は足りません」
「これ以上やると私の息がつまって無理だ」
ということも合わせて訴えます。
紙やノートなどを見ただけでわかるようにしていると、視覚的にも訴えられて効果的です。
またこれらの記録は、婚姻費用分担請求の申し立てや、離婚するときに経済的DVの証拠となりますので、面倒でもできるだけ続けて、きちんと保管しておきましょう。
モラハラ夫から破棄される不安があるなら、コピーをとるなどして確保しておいてください。
それでも生活費をくれない場合は、
「調停や裁判などで強制的に生活費を支払ってもらうことになる」
ということを伝えましょう。
妻や子どもに生活費を渡すのは夫の義務ですから、きちんと裁判などで訴えれば必ず認められます。
もし夫の収入が足りなくてどうしても生活費が十分に確保できないというなら、共働きなどをして収入を増やすことを相談するべきです。
内容証明で生活費の請求をする
話し合いや説得をしても、どうしても生活費を出してくれない場合は、強制的に生活費を支払わせることも可能です。
まずは内容証明を送って夫に生活費を請求しましょう。
モラハラ夫もプレッシャーに感じて、生活費を支払ってくれる可能性が上がります。
別居状態になってから内容証明を送るケースが多いのですが、生活費の請求をしたという証拠も残す意味でも同居中に内容証明を送ることも可能です。
婚姻費用分担請求の調停の申し立て
それでも生活費を支払わないなら、最終的には婚姻費用分担請求の調停申し立てをする必要があります。
調停で決まったことは、法的な拘束力がありますので、もし夫が取り決めを破って生活費を渡さない場合は、給与差し押さえなど強制的に支払わせることが可能です。
また、 調停でも生活費の支払いに同意しない場合は裁判へと進みます。
ちなみに離婚調停をすでにしている場合でも、婚姻費用分担請求は別の事件になるので、まずは婚姻費用分担請求の申し立てをしておきましょう。
婚姻費用は夫と同居中でも請求は可能ですので、別居や離婚までは考えられないという人は、同居の状態で婚姻費用分担請求の調停申し立てをしてくださいね。
ただ婚姻費用の算定表の金額には家賃分が含まれているため、同居の場合だと家賃分を差し引かれて、算定表の額より減額する可能性があるので注意ください。
第三者に相談する
家族(両親や兄弟など)や、信用できる友人などにまずは相談してみましょう。
ほとんどの場合、自分が経済的DVの被害者かどうかわからないケースが多いんです。
これくらいよくあることと思っていても、相談してみると実は異常なことだと気づく場合もあります。
お金のことなので友人などに話しにく場合は、女性センターや婦人相談窓口など第三者機関に相談してみるといいですよ。
経済的DVに限らず、モラハラやDVなどで悩んでいる人は、配偶者からの暴力被害者支援情報から配偶者からの暴力全般に関する相談窓口」を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
離婚や別居にふみきる
残念ながらこれが一番の解決法かもしれません。
モラハラは治りません。
第三者を交えて話し合いでほんの少し改善したとしても、数か月早ければ数週間程度で元に戻ります。
しかしモラハラ行為や経済的DVを受けている女性は、ほとんどが専業主婦です。
とくに経済的DVを受けていた女性は、経済力がないので自立できず、生活の不安から離婚の決断がむずかしいケースが多いです。
もし実家に頼れるならしばらく実家に住まわせてもらいつつ、生活が安定するまでは夫から婚姻費用として生活費を請求しましょう。
夫は当然生活費なんて支払わないでしょうが、調停などを申し立てれば必ず生活費は確保できます。
まずは生活を立て直してから、自立するための職探しやスキルアップを目指すなどするといいですよ。
経済的DVに苦しむ妻がやっておいた方がいいこと
経済的DVはお金の自由を奪われて、生活費が足りないと請求すれば「お前のやりくりが悪いからだ」と責められ続け、被害者は「お金がないのは自分に管理能力がないから」と自分のせいだと感じてしまいます。
そして働いていない自分に劣等感を感じるようになるんです。
別居や離婚後に自立した生活ができるだけの貯えもなく、仕事ができる保証もないとなると不安になって現状を維持しようとします。
そういった事情から経済的DVやモラハラ、身体的DVなど、DVを受け続けるリスクと経済的なリスクを天秤にかけて、DVを受け続けるという選択をする女性も大勢います。
子どもがいればなおさら、離婚後の生活は不安ですよね。
そういう時は無理に別居や離婚に踏みださないで、自分の辛い感情や、不安な感情を大事にしてもらったらいいと思います。
無理に別れる必要はないですし、全然迷っていていいんです。
迷って当然なんですから。
時期がきたら、いつか自然に答えが見つかります。
その時もし別れたいと思ったら、その時別れればいいのです。
ただ、少しでも現状を変えたいなら、やっておいてほしいことがひとつだけあります。
日記などで自分の辛い感情を書くことです。
自分の素直な感情を書き出して吐き出すことで、気持ちの整理がつきやすくなります。
また客観的に自分が受けている行為を見れるので、冷静な判断がつきやすくなります。
できれば自分が受けているモラハラ行為や経済的DV、身体的DVの内容などを日記に残しておくと、別れたいと思ったら調停などで証拠として提出できて、離婚がスムーズに進んだり慰謝料を請求できる場合もあります。
辛い感情や受けている行為を書くことは、辛い作業だと思います。
自分の素直な感情や、こんなにひどいことをされていると客観的に知ることは、自分を変えるためにも必要な作業です。
自分が変われば現状も変わります。
少しずつでも良い方向に変わっていくことを願っています。
まとめ
経済的DVで苦しむ女性は、自由になるお金がないことで家にこもりやすく、外部と接触する機会も少ないので、なかなか自分たち夫婦の異常性に気がつきません。
悩みを相談したり、苦しい気持ちを吐き出す機会も少ないはず。
いきなり別居や離婚なんて、現実離れしすぎていて考えられない!と思うのは仕方ないことだと思います。
そんなときはまずは日記に自分の感情や、夫にやられて辛かったこと言われて傷ついたことなどを書いてみてください。
それだけでも心の整理がつきやすくなり、自分の置かれている状況や素直な気持ちに気づけると思いますよ。
誰かに相談したいと思ったら、ひとりで悩まずにすぐに相談してくださいね!
もちろんこのブログの相談フォームから、相談ごとやグチなど吐き出してもらってもOKですよ!