長年夫からモラハラを受けている女性は、気が付かないうちに心は深く傷つき、どんどん心を蝕まれてしまいます。
それはモラハラが、相手の尊厳や人格を否定して、支配を伴う虐待行為だからです。
しかもそれが、好きで結婚したはずの夫から受けているのです。
モラハラ被害者は、自分がモラハラの被害者だと気がつくことはもちろん大事ですが、傷ついた心の傷を癒すことも大切です。
今回はモラハラ夫から、傷つけられた心の傷の癒し方をご紹介します。
モラハラは被害者の心もむしばむ
モラハラ夫は、日常生活の中で突然キレたり、人格を否定してきたり尊厳を踏みにじります。
そして被害者である妻は、徐々に夫におびえ自尊心を傷つけられ自信をなくしていきます。
モラハラ夫は妻を感情のある一人の人間として認めず、見下しバカにし、存在を否定することもあります。
しかもそれは1回2回の話しではありません。
モラハラ夫と一緒に暮らしている限り、何年も何十年も続くのです。
被害者は心の防御本能から、心の傷にフタをして見ないようにして早く忘れようとします。
自分でも気がつかないうちにどんどんストレスはたまっていき、徐々に心を蝕まれて心身に影響がでてくることもあるんです。
心の傷は時間が解決するって本当?
落ち込んだ時や傷ついたとき、
なんて慰められた人も多いのではないでしょうか?
時間薬なんてよくいいましたよね。
しかしアリゾナ州大学の心理学研究チームの最新の研究では、「心の傷は時間では癒すことはできない」と確認されたそうです。
体に傷ができたら、傷の深さや長さが何ミリあるとか、骨にヒビが入ってるとか、出血してるとか目に見えてわかりますよね。
でも心の傷は目に見えないから、他人はもちろん、自分でも傷ついていると気がつきにくいんです。
そのため思い切って友人や家族に相談しても、
「よくあることじゃない」
「夫婦ってそんなもの」
などと 悪気なくアドバイスされ、誰にも理解してもらえずに、悩むことに罪悪感を抱き傷つくケースもあります。
理解してもらえないから人には話したくない、もう思い出したくないからといって、心の傷から目をそらし、心の奥深くに閉じ込めてしまいます。
体が傷ついたとき、無意識で傷をかばって生活しますよね。
それと同じで、心の傷をかばってフタをするのですが、この「心にフタをして問題を奥底に沈める」行為は、想像以上にエネルギーを使うそうです。
「少し動いただけでも疲れた」
「寝ても全然疲れが取れない」
というように、体にも影響がでてきてしまうんです。
頑張って「ポジティブに考えよう」と思っても、問題を解決するためのエネルギーが残らず、目の前の現実とうまく向き合えなくなってしまいます。
体の傷だって処置が遅れると、治療に時間がかかり、ときには後遺症が残るケースがあるんです。
心の傷もきちんと処置してあげない>癒すのも時間がかかり、後遺症が残る場合もあります。
心の傷って体と違って目に見えるものではありませんから、傷跡が残っていても、痛々しいからきちんと治療しようとはなりません。
病気とも違って、完治しなくても生きていけるし生活にも困りません。
でもとっても辛くて辛くて・・・
しんどいですよね。
楽しく明るく幸せに生きるために、小さな傷だと放っておかずに、傷が浅いうちに早く癒してあげることがとっても大切です。
モラハラ夫は謝罪も反省もしないので心の傷は癒えにくい
モラハラ被害者に心の傷が癒えにくい理由のひとつに、
という点は大きいと思います。
それどころか妻は被害者であるにもかかわらず、夫からまるで加害者のように扱われることで、より深く傷つけられることも・・・
反省するどころかさらに妻を傷つけ、事実を捻じ曲げ、自分の都合が悪くなると話を強制的に終了されてしまう。
そんな夫の態度に妻は
「私ってそんなに価値のない人間なんだろうか・・・」
「やっぱり私が悪いのね・・・」
「私という人間を夫はどう思っているんだろう」
と、夫の暴言によって傷ついた心はますますえぐれていきます。
健全な夫婦間でも、ケンカがヒートアップして傷つける言葉をぶつけることはあると思います。
だけどそのあと
「あれは俺が言い過ぎた。ごめんな」
と、一言でも謝罪や反省の言葉をかけ、妻の傷ついた心にそっと寄り添ってくれたり労わってくれるだけで、傷ついた心が浄化されるように癒されることもあると思うんです。
だけどモラハラ夫には、そういった期待は一切できません。
むしろ
などと言われ、被害者は
「私が悪いのに傷ついたとか思って恥ずかしい」
と、罪悪感すら抱きます。
自分で意識しないところで、そっと心の傷にフタをしてしまいます。
それはどんどん積もっていき、徐々に心をむしばんで精神的な病を引き起こすこともあるんです。
心の傷の癒し方
体にできた小さな傷は絆創膏を張る、シップを張るなど自分で処置ができるように、心の傷も浅いうちなら自分で手当てすることができます。
自分でできる心の傷の癒し方をご紹介します。
心の傷に寄り添う
まずは自分の心の傷に寄り添うことです。
「私の心は傷ついている」をいうことを認めることです。
あの時は辛かったね
あの人が怖かったんだね
不安だったんだな
というように、まずは自分の傷ついた心に焦点を当てて、傷に寄り添うことで癒す方法です。
心に傷を受けた後忘れたころに、傷ついたときと同じような状況になると、フラッシュバックになって急に思い出したり、動悸がしたり、心がぎゅーっと痛くなったり、なにか症状が出てきますよね。
それは心が「あの時の傷を治してほしい」「癒してほしい」と、あなたに気が付いてもらいたくて訴えているんです。
まずは「自分は傷ついているんだ」ということを早く気がつき、認めることは非常に大切です。
ありのままの感情と向き合う
昔の辛い傷を思い出すと、不安、憎しみ、悲しみ、苦しみなど・・・そのとき感じた感情やそのあとの複雑な感情など、様々な感情が心の内側から湧き出てきます。
ここで出てきた感情を抑えたり我慢しないで、ありのままの感情を受け止めます。
泣きたくなったら、泣きたいだけ泣けばいいんです。
怒りがわいたら、怒っていいんです。
モラハラ夫にやられたこと、言われたことを思い出すと怒りがわくのは当然です。
夫に対しての怒りをそのまま口にするのもいいですし、紙やノートに書きなぐるのも効果的です。
どんなに汚い言葉が出ても、だれに見せるわけでも聞かせるわけでもないので、気にしないで吐き出していきましょう。
このとき「こんな汚い言葉で人を罵るなんて・・・」など、余計なことは考えないようにします。
頭で考えるのではなく、心が感じるままとことん向き合い感じます。
どんなネガティブな感情でも、認めて受け入れます。
ただこのとき出てくる感情があまりにも大きすぎてしんどくなってくるなら、何回かにわけて感情を解放してあげてくださいね!
心の傷と共に生きる
モラハラ夫とたとえ離婚したとしても、なかなか傷が癒えないこともあります。
それにモラハラ夫と別れた後でも、また別のことで心が傷つくこともありますよね。
心の傷も自分の一部なんだ。と思い、心の傷と一緒に生きていくことができたら・・・
心はもっと楽に穏やかになると思いませんか?
あの時のことを思い出すと心が痛む・・・
あの時の私がんばったね。
と心の中で自分自身をいたわりねぎらい、「この傷ついた自分も私なんだ」と認め、心の傷と共に生きていくことも大事です。
自分の傷を見ないフリしてフタをしないでしっかりと向き合うことで、時間はかかっても少しずつ癒されていきます。
受け取り方を変える
私の結婚生活一体なんだったんだろう・・・
モラハラ夫と結婚した女性は多かれ少なかれ、こう感じる瞬間があるのではないでしょうか。
私は前の結婚相手も当時は気が付きませんでしたが、モラハラでした。
その後お付き合いした男性もモラハラで、次再婚した今の夫もモラハラです・・・
(<追記>2020年12月に無事離婚成立しました!)
そう。
私の付き合う男はほぼモラハラなんです・・・
もうほんとイヤ!!
いい年して全然成長してない!!
とひどく落ち込み、自分自身がイヤになった時期もありました。
私のように「見る目がなかった私が悪い」と自分を責める女性も多いです。
しかし今、私はモラハラ夫をテーマにブログを書いていて、多くの方から励ましや共感の声をいただき、それがとても救いになっています。
夫が散々モラハラしてくれたおかげで、産後で働けなかった私は「自宅にいても絶対稼いでやる!!」と、夫を見返したい一心で在宅でできるネットビジネスをやると決意できました。
おそらくネットビジネスに出会えなければ、夫と別居なんてとてもできずに今でも夫のモラハラに支配されていたでしょう。
夫のモラハラなくしては今の私はありません。
と、考えてみてはどうでしょうか。
「夫のモラハラに苦しめられているひとりの被害者」
という枠から出て、
「モラハラ夫との辛い結婚生活の中から私が学べるものはなんだろう」
「この経験をなにか人の役に立つことにできないか」
「この経験で金儲けはできないか」
なんでもかまいませんが、少しだけ受け取り方を変えてみるとまた違った景色が見えてくるかもしれませんよ!
離婚がきっかけで、生活のために起業して成功している女性はたくさんいます。
ただただ夫の暴言が悔しくて、夫を見返したくて、でも産後すぐで外で働けなかった私が、最終的にこれしかないと始めた仕事が、こんなふうに誰かの役に立ったり、多くの人から共感を得られるなんて、夢にも思いませんでした。
今の辛い生活が、あなたが思い描いたこともないような素晴らしい世界につながる階段なのかもしれません!
まとめ
今回はモラハラ被害者の心の傷の癒し方をご紹介しました。
モラハラ被害者である妻は、常に夫のモラハラによって傷ついています。
放っておいても治るような小さな傷も何度も何度も受けていれば、どんどんその傷は深くなってしまいます。
少しずつ傷がえぐれていっても、自分自身では気が付かないことも多いんです。
大きな傷になる前に、できるだけセルフケアをするのがいいですよ!
思い出すのも辛くて無理!思い出すと体に異変が起きる!というくらい深刻な場合は、早めにカウンセリングや心療内科で受信することをおすすめします。