「私はダメだ」
「何をやっても失敗ばかり」
「どうせ私なんか…」
そんな思いが心に根付いていませんか?
自己肯定感が低いと、何かにつけて自分を責めてしまい、人間関係でも自信を持てず、心の疲弊が蓄積されていきます。
特にモラハラ(モラルハラスメント)の被害者には、この「自己肯定感の低さ」が共通して見られます。
本記事では、「自己肯定感とは何か?」という基本的な視点から、なぜモラハラ被害者は自己肯定感が下がりやすいのか、どうすれば少しでも回復できるのかを解説します。
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、自分をありのまま受け入れ、「存在していい」と認められる心の土台のこと。
何かができる・できないといった「評価基準」ではなく、「今の自分をどう受け止めているか」で決まります。
たとえば、どれだけ周囲から褒められても、「私なんて…」と感じてしまうなら、自己肯定感は低い状態です。
逆に、誰かに否定されても「私は私。これでいい」と思えるなら、自己肯定感が高い状態といえるでしょう。
自己肯定感は、人間関係、仕事、自己実現、ストレス耐性の土台となり、私たちの生き方そのものに深く関係しています。
なぜモラハラ被害者に自己肯定感が低い人が多いのか
モラハラ加害者は“自己肯定感が低い人”を選ぶ
モラハラ加害者は、相手をコントロールしたいという支配欲を持っています。
そして、反論しにくく、疑問を持ちにくい相手──
つまり自己肯定感が低く、自信のない人を本能的に選ぶ傾向があります。
そのため、もともと自己肯定感が低い人が、モラハラのターゲットにされやすいのです。
自己肯定感が低くなる3つの背景
1. 育った家庭環境の影響
自己肯定感の形成に大きな影響を与えるのが「親との関係」です。
以下のような環境で育った場合、無意識のうちに自分を否定する癖がついてしまうことがあります:
- 幼少期に褒められる機会が少なかった
- 頑張っても認められなかった
- 条件つきでしか愛されなかった(例:「100点なら偉い」)
- 常に比較された
- 親が過干渉だった、または話を聞いてくれなかった
私自身も、長女という立場で「親が自分より弟妹を優先する」場面が多くありました。
理不尽に怒られたり、思いを伝えても「ひがんでいる」と決めつけられたり…。
今思えば、それが自己肯定感のベースを傷つける原因になっていたのかもしれません。
両親を責めるつもりはありません。
むしろ感謝もあります。
でも、子ども時代に「無条件で受け入れられる経験」が少なかったことが、大人になってからの自己肯定感の低さにつながったと実感しています。
2. 失敗体験・トラウマ
誰しも失敗はありますが、それが深く心に残ると、「どうせまた失敗する」という思考に変わっていきます。
たとえば・・・
- 小学生の頃、発表で間違えて笑われて以来、人前で話せなくなった
- 善意で手伝ったことを否定され、行動すること自体が怖くなった
このような経験が積み重なると、「自分なんて…」という意識が強化され、自己肯定感が徐々に下がっていきます。
また、日本特有の「謙遜文化」も影響しているでしょう。
「私なんてまだまだ」
「そんな、たいしたことじゃ…」
と自己評価を下げる表現を続けていると、自分を認める力が鈍くなっていくのです。
3. モラハラ夫からの人格否定
もともと低かった自己肯定感が、モラハラによってさらに傷つけられます。
- 「お前なんて何もできない」
- 「だからお前はダメなんだ」
- 「誰もお前なんか好きにならない」
こうした言葉を日常的に浴びせられ続ければ、心が壊れて当然です。
モラハラは、相手の価値を奪い、自尊心を押しつぶす行為です。
それを受けながら、心を保つことは本当に難しい。
自己肯定感をこれ以上下げないためにできること
「自己肯定感を上げよう」といっても、ハードルが高く感じる方も多いと思います。
ですので、まずは“下げないこと”から始めましょう。
モラハラ夫の言葉を“心の中で否定する”
- 「お前はダメだ」と言われたら →
「そんなことない。私は毎日家事も育児もやってる」 - 「何もできない」と言われたら →
「私は今日もたくさんのことをやり遂げた」
声に出さなくて構いません。
心の中で、自分を守る言葉を繰り返してあげてください。
自分の小さな努力や頑張りを、自分自身で認めること。
それが、自己肯定感の“落下”を防ぎ、徐々に立て直す第一歩になります。
まとめ:自分の価値を取り戻す旅のスタートに
自己肯定感が低いと、生きづらさや不安を感じやすくなります。
でも、それは“あなたが弱いから”ではありません。
過去の経験や、誰かから与えられた言葉の影響が大きく関係しているのです。
まずは、「自分をこれ以上否定しない」ことを目標にしてください。
自己肯定感は“急に上げるもの”ではなく、“守っていくもの”です。
そして少しずつ、自分の中の「よくやってるよね」と思える部分に目を向けていきましょう。
それが、自分を取り戻す小さな一歩になります。