よくモラハラの被害者の話を聞いていると、
「モラハラを受けているけど夫のことは好き」
「夫は私のことが好きで好きで仕方がない」
という人がいます。
モラハラ夫のことが好きという人は、どんなにひどいことをされていても、なかなか別れるという決心はつかないはず。
そして
「モラハラ夫は私のことが好き」
という人も、自分が夫のことを好きなら、なぜこんなにひどいことをするのか不思議ですよね。
今回は「モラハラ夫のことが好き」という人が、自分でも気がつかなかった本当の気持ちを気づく方法と、 「モラハラ夫が私のことを好きで仕方がない」の罠についてご紹介します。
もしまだあなたがモラハラ夫を好きなら・・・
妻であるあなたが、まだモラハラ夫のことを好きなら、なかなか別れる決心がつかないのも当然です。
実はそういう人、大勢います。
あなただけじゃないから安心してくださいね。
そもそも、交際を始めた当初はモラハラ夫も優しく紳士的で、自分を楽しませくれたりいろんなところに出かけたり・・・楽しい思い出がたくさんあったはず。
それがいつのまにか、
マインドコントロールによって支配され、心をえぐられるようなひどい暴言をはかれるようになり、怒鳴られ罵られ人格否定され苦しめられてきました。
周りに相談して満場一致で「離婚した方がいい!!」と言われたとしても、まだモラハラ夫に対して「好き」という気持ちが残っていたら、それこそ別れる決断はできないはずです。
モラハラのハネムーン期の優しい期間にはいれば、「あぁこういうところ好きだな」と感じたり、「昔みたいに優しい夫に戻るかも・・・」と淡い期待を抱いてみたり・・・
ますます離れられなくなってしまうんです。
このハネムーン期があることで、夫はずっとモラハラしているわけじゃないから」「夫もいいところがあるから」と思ってしまい、なかなか夫のことを嫌いになれない妻が多いんです。
でも、それもほんの僅かな期間です。
もうじきイライラうつうつした蓄積期を経て、モラハラがさく裂する爆発期へと突入するのです。
モラハラ夫のことがまだ「好き」で「忘れられない」という気持ちがあるなら、まずはその気持ちをノートに書き出してみましょう。
夫のこんなところが「好き」というところ、そして最近夫に言われてうれしかった言葉、優しいなと感じた出来事を書き出してみてください。
結婚前のことも書くなら、過去と現在を分けて書きましょう。
そして今度は、夫からされてイヤだったこと、言われて傷ついた言葉なども書き出してみてください。
これをしばらくの期間続けてみましょう。
- 夫の好きだなと感じたこと
- 優しいと感じたこと
- 夫にしてもらってうれしかったこと
- 夫にされてイヤだったこと
- 言われて傷ついたこと
- 理不尽だなと感じたこと
ある一定期間これらを書き溜めていき、後から冷静なときに見返してみると、意外にも自分の気持ちが見えてきます。
夫のことを優しいと思っていたけど、全然優しくされてないな・・・
夫から何かしてもらってうれしいと思ったことが、案外ないな・・・
これをされてうれしいと思っていたけど、冷静になって考えてみると、どうしてこんなことで喜んでたんだろう・・・
と、 意外にも「夫と好きだ」と思い込んでいただけということもあります。
まずは自分の感情、心の中をしっかり見つめなおすことがとても大事です。
ノートに書き出し、自分のさまざまな感情をデータ化することで、見えなかった自分の本心や意外な感情が見えてくることもありますよ!
「好き」な気持ちと「されたこと」は別物として考える
モラハラ夫が今も「好き」という気持ちと、モラハラ夫に「されたこと」は事実として認め、別物として考える必要があります。
「夫のことは好き」だけど「こんなことをされたことは許せない」
と、好きの気持ちと、夫から受けたモラハラ行為、傷つけられた事実は分けて考えます。
誰かを本気で好きになることは、素晴らしいことです。
そして本気で好きになった相手なら、簡単に忘れることはできないでしょう。
だけどモラハラをされたこと、暴言をはかれたこと、人格否定をされたことを許してはいけません。
そこは全く別に考えて、許してはいけないんです。
そこはきちんと一線を引いておきましょう。
その一線に気が付くためにも、自分の気持ちをノートに書くことは非常に大事です。
「モラハラ夫は私のことが好き」の罠
モラハラ夫が妻のことを好きで好きで仕方ないと、周りから見られることはよくあります。
私も
と、周りから言われたことが何度かあります。
結婚していた頃も
「夫さんは涼加ちゃんのことが大好きなんやね!」
「涼加ちゃんのことめっちゃ見てるね!」
と言われていました。
私の場合はそこは冷静で、
と思っていたので、「あぁ私夫から愛されてる!」と感じたことはありませんでしたが・・・
「モラハラ夫が私のことを好きで好きで仕方がない」と思う人が多いのは理解できます。
そして、モラハラ夫が妻のことを大好きというのも、あながち間違ってもいません。
ただ、モラハラ夫の「好き」はちょっと普通の人達の「好き」とは違います。
妻に対してものすごく執着しているのは確かです。
しかしそれが「好き」という感情。
つまり「恋愛感情」や「愛情」かどうかというと、そうではありません。
ただ妻に執着しているだけということです。
モラハラ夫が好きなのは自分だけ
結論からいうと、モラハラ夫が「好き」なのは基本的に自分だけです。
ただ妻に対して執着はしています。
ものすごく。
なぜモラハラ夫が妻に執着しているのかというと、妻は自分が育てた自分だけのサンドバックだからです。
モラハラ夫は長い時間をかけて妻の習性を知りつくし、
「こうすれば妻がこんな反応をする」
「こういえば妻はこうくる」
「これ以上やると後々面倒くさいことになる」
と、妻の反応や行動パターンを熟知しています。
ここまで行動パターンを理解し熟知できるまで、それなりに時間をかけているはず。
何パターンもさまざまなモラハラを仕掛けて築きあげてきたんですから、簡単に手放したくないのは当然です。
だから妻が出ていくと言えば全力で引き留めるし、離婚なんてとんでもない!
どうしても離婚が避けられなくなれば、子どもを利用して妻への嫌がらせを続けたい!と、なんでもいいから今後も妻との関係は続けたいと心底思っています。
その様子がごく一般的な感覚からすると、
「相手と完全に縁を切りたくないくらい好きなんだな」
と映るわけです。
モラハラ夫がいくら「好き」でも相手に共感はできない
モラハラ夫が、いくら妻のことを好きだと言ったとしても、妻の気持ちによりそい、妻の悩みに耳をかたむけ、妻の目線で立って、妻の主張を聞いてくれるかというと、そんなことはありません。
モラハラ夫は極端に共感能力が低く、相手の気持ちを思いやったり寄り添うということができません。
モラハラ夫の原動力はいつだって損得勘定だけです。
なんでも自分のいいなりになる妻をそばに置いておくことは、モラハラ夫にとっては「得」。
しかしもし妻をそばに置いておくことが「自分の損になる」と判断した場合、これまで散々執着してきた妻のこともあっさり捨てることができるんです。
これはモラハラ夫自身の血を分けた子どもであっても、同じことが言えます。
モラハラ夫の「好き」の正体
モラハラ夫の「好き」の正体は、ただの支配欲です。
自分のモラハラ行為を、「これはすべてお前のためだ」と正当化させているだけです。
そんなものは「好き」でもなんでもありません。
もちろん妻のことを「好き」か「嫌い」かでいえば、「好き」に該当するでしょう。
だって自分の役になって「得」にもなるんだから。
だけどその根本は損得勘定の得であり、支配できる対象であるからこそです。
まとめ
実はモラハラ夫のことが好きで別れられないという人は、意外にも少なくありません。
また、モラハラ夫が自分のことをとても好きだから、別れるのがかわいそうだと思っている人も非常に多いんです。
だけど本当にあなたのことを好きでいてくれるなら、あなたを傷つけて平気な顔して過ごすことなんてできるでしょうか。
モラハラ夫の愛情、思いやり、それはすべてモラハラするため、妻を支配するためのツールだということに早く気が付くことが重要です。
気づくことって辛いですけどね・・・
でも早くに気が付くことで、日々のダメージを最小限に抑えられますよ。