夫婦の話し合いで離婚をすることを協議離婚といいますが、協議離婚のときには公正証書を作成していた方がいいってご存知でしたか?

決められた養育費や慰謝料が後々支払われなくなったとしても、公正証書があれば裁判所に行かなくても強制的に給料や財産を差し押さえる効力があるのです。

後から言った言わないでもめる前に、協議離婚するときは公正証書をきちんと作成することをおすすめします。

公正証書とは

公正証書とは、夫婦の話し合いで決めた内容(例えば養育費や財産分与、慰謝料などの取り決め)を、公証役場で公証人に作成してもらう書面のことをいいます。

公証人とは、30年以上裁判官や検察官、検事や弁護士などの経験を経て、法務大臣から任命された公務員のことです。
いわば法律のスペシャリストというワケですね!

法律のスペシャリストが作成する書面だからこそ、公正証書の効力は絶大なのです。

公正証書に必要な書類は

公正証書を作成に必要な書類がいくつかあります。

離婚協議書

離婚協議書とは離婚について夫婦で話し合いで決まった内容(例えば養育費や慰謝料などについて)を書面にしたものです。

離婚協議書なんていうととても難しく感じると思いますが、メモなどでも構いません。

ただ、公正証書を作成するときに公証人が離婚協議書を確認するので、内容は具体的にわかりやすく詳しく記入しましょう。

身分証明できる書類

●運転免許証
●パスポートと認印
●印鑑登録証明書と実印
●顔写真付きの住民基本台帳カードと認印

これらのうちいずれか、身分を証明できる書類が必要です。

戸籍謄本

発行から3ヶ月以内のものが必要です。

財産分与に関する書類

●不動産があるなら不動産登記簿謄本(発行から3ヶ月以内のもの)や固定資産税評価証明書や住宅ローンに関する書類など
●自動車があれば車検証や査定書(価値があれば)や自動車ローンに関する書類など
●生命保険に関する書類(保険証券や解約返戻金証明書など)
●年金分割をするならふたりの年金手帳

作成にかかる費用は

費用は公正証書で取り決められた金額によって手数料が変わります。

金額 手数料
100万円以下 5,000円
200万円以下 7,000円
500万円以下 11,000円
1,000万円以下 17,000円
3,000万円以下 23,000円
5,000万円以下 29,000円
1億円以下 43,000円
1億円以上 省略

例えば慰謝料が100万円なら手数料は5,000円になります。

養育費はたとえ10年以上支払われるとしても、10年分で計算されます。

また、手数料は養育費、慰謝料、財産分与など各項目の総額ではなく、各項目ごとの金額の手数料を計算した合計金額になります。

例えば養育費が5歳の子どもに5万円を20歳までの支払いと、慰謝料が100万円、財産分与が400万円の場合

養育費・・・5万円×12か月×10年=600万円→手数料17,000円

慰謝料・・・100万円→手数料5,000円

財産分与・・・400万円→手数料11,000円

これらの手数料の合算になりますので

17,000円+5,000円+11,000円=33,000円

となるため、公正証書作成の手数料は33,000円になります。

このほかに、収入印紙代や謄本代、送達代といった諸経費が数千円程度かかります。

作成手順

話し合いの内容を元に作成した離婚協議書や必要書類を持って、近くの公正役場へ行き公正証書作成の依頼をします。

全国公証役場一覧

夫婦で決めた離婚協議書を元に、公証人に公正証書の内容を確認してもらいます。

この時、公証人から内容について問題点や疑問点など質問があるかもしれませんので、応えられるようにしておいてください。

本人確認書類やその他の書類などを提出します。

だいたい30分から1時間ほどかかります。

公正証書を作成依頼してから7~10日後に夫婦一緒に公正役場へ行って、出来上がった公正証書を夫婦で確認します。

内容に問題がなければこれで手続きは完了です。

 

代理人をたてる場合

公正役場へ行くのが難しい場合は、委任状があれば代理人に公正証書を作成することもできます。

夫婦両方が代理人をたてることはできませんのでご注意を! ただし代理人を弁護士さんにお願いする場合は別途費用がかかります。

まとめ

作成手数料は高く感じるかもしれませんが、公正証書によって離婚後の養育費や慰謝料などを確実に受け取れ、万が一支払いがされなかった場合は給料や財産の差し押さえができます。

離婚後した後までお金で揉めたくないですから、トラブルを回避するためにも協議離婚の場合には必ず公正証書を作成するようにしましょう。