モラハラ夫って、妻にはキツく当たるけど、子どもには優しい。
そう思っていませんか?
実際、私もそう思っていました。
中には子どもに冷たい態度をとる男性もいますが、私の元夫は、子どもを本当に可愛がってくれていると思っていました。(過去形)
子どもたちも、父親に懐いていて
「夫はモラハラだけど、子どもには愛情がある人」
私はそう信じていました。
でも、それが大きな間違いだったと、後になって気づいたのです。
モラハラ夫の「優しさ」は本物?子どもへの態度の裏に潜むもの
子どもが小さいうちは“従順”だから優しくする
モラハラ夫は、子どもが小さいうちは比較的優しいことが多いです。
可愛い盛りで、自分に懐いてくれて、ちょっとしたことで喜んでくれるからです。
「おとうさん!おとうさん!」と呼ばれるだけで、気分はいい。
だから、自分が気持ちよくなれる範囲では、優しく接するんです。
でも、それは本当の愛情ではなく、自分本位の満足感でしかありません。
自我が芽生えた子どもにはモラハラが向くようになる
子どもが成長し、自分の考えを持ち始めると、父親の矛盾や理不尽に気づきます。
「なんか、お父さんの言ってることおかしくない?」
「この前は○○って言ってたのに、今日は違うこと言ってるよ」
そうやって反抗したり、疑問を投げかけたりするようになると、途端に“攻撃対象”になります。
- 頭ごなしに怒る
- 正論を言っても認めない
- 感情的に威圧する
これまで妻がされてきたようなモラハラが、子どもに向かうようになるのです。
もし「子どもが父親になついているから別れられない」と考えているなら、将来的なリスクもしっかり頭にいれて考えましょう。
モラハラ夫は子どもを「嫌がらせの道具」に使う~私の場合~
私が元夫と別居したのは、上の子が4歳、下の子が2歳になる前でした。
まだ小さくてかわいい時期で、夫も子どもたちを可愛がっていたし、子どもたちも懐いていました。
だからこそ私は、元夫は子どもに対しては本気で愛情を持っていると信じていました。
でも、それは幻想でした。
そんなものなかったと、完全に夫と連絡を絶つようになってからようやく気が付きました。
子どものことを、本当になんにも考えてくれてないんだなという、決定的な事件が起きたんです。
子どもを騙しの“共犯者”にしたお正月事件
私は、「子どもの幸せのために」と信じて、別居中でも夫との交流は制限せずに続けていました。
離婚にもすぐには踏み切らず、なんとかうまく共存できないかと模索していたのです。
でも、その思いは2020年のお正月のある出来事で粉々に砕け散りました。
「正月、うちの実家には帰らんよな?」
実は、別居してから1年半も経っているのに、夫は未だに義両親に別居の事実を伝えていなかったのです。
別居後も子どもを連れて義実家には何度か行ってたんですが、子どもが幼稚園や小学校のことなどを聞かれるようになり、子どもも戸惑うだろうと思い、「別居していることを義実家に話さないと子ども達は連れて行かない」と話していたんです。
「もしあなたのご両親に別居していることをまだ話してないなら、子ども達は連れていけないよ」
と、私は答え、夫もその時は、
「わかった」
「それじゃ子ども達連れてどっか遊びに行ってくるわ」
と、あっさり納得したように見せてきました。
しかし、その裏ではとんでもないことが起きていたんです。
冬休みが終わり、自宅に戻ったある日。
下の娘が、何気ない様子でこんなことを言ったのです。
「冬休みおじいちゃんとおばあちゃんの家に行ったのー!」
えっ……?
あっけにとられていると、兄の息子がすかさず口を挟みました。
「それはお母さんに言ったらあかんって、お父さんに言われてたやろ!」
「・・・・」
私は言葉を失いました。
夫は、私には何も言わず、勝手に子どもたちを連れて義実家へ行っていたのです。
しかも、自分の両親に“別居していない家族”のフリをするために、子どもに嘘をつかせていた…。
たったそれだけの理由で、幼い子どもたちに“嘘”を強要した。
しかもその嘘を「お母さんには言うな」と教え込んでいたなんて。
自分の見栄とプライドを守るため——。
そんなクソしょーもない理由で、子どもまで利用する男だったんです。

俺の金は俺のもの!子どもの金も俺のもの?
それだけではありません。
お正月には、子どもたちは義実家で親戚から毎年お年玉をもらっていたんですが、そのお金を夫が“盗んでいた”んです。
息子が「お年玉は?」と私に聞いてきたんですから!
子どもがもらった大切なお金を、平然と自分のものにする神経。
私が知らない間に子どもを義実家に連れて行ったことで、私はお礼の連絡すらできず、きっと義家族からは
「お礼も言わない、非常識な嫁」
と思われていたでしょう。
この出来事で私は、決定的に悟りました。
「この人は、自分のプライドや体裁を守るためなら、平気で子どもを“道具”に使う」
「自分の都合のためなら、誰でも簡単に犠牲にする」
その冷たさ、卑劣さが、どうしても許せませんでした。
そして、この事件の翌週。
私はついに家庭裁判所へ行き、離婚調停を申し立てたんです。

愛情がないとしか思えなかったランドセル事件
別居から約1年経った2019年の初夏、息子のランドセルを選びに、元夫も一緒に行きました。
息子が気に入ったランドセルは少し高かったので、「私も半分出すよ」と言ったのですが、見栄っ張りな元夫は
「俺が全部出すよ」
と言ってくれて、その場では感謝して、お願いしました。
ところが、2月になってもランドセルが届かない。
おかしいと思ってショップに連絡すると、
「代金未払いのため、自動キャンセルになっています」
え…?!
私は慌てて元夫に連絡をしましたが、返事は
「前から言ってたやろ。確認しなかったお前が悪い」
「今さら何?」
まったく意味がわかりませんでした。
この1ヶ月前のお正月事件から、夫とは連絡を絶っていました。
しかし、ランドセルの購入は、まだまだ交流中の初夏のはず。
前から言ってた?そんな話、聞いたことないし、
まさか子どもが気に入っていたランドセルの代金を、未払いで放置していたなんて誰が想像しますか?
私は急いでショップに連絡し、在庫を確認して即購入しました。
なんとか間に合いましたが、もし売り切れていたら、入学式に間に合わなかったかもしれません。
あのとき元夫は、息子がどんなに嬉しそうにランドセルを選んでいたか、目の前で見ていたはずです。
それなのに…。
「お金を払わない=ランドセルを届けない」ことで、私を困らせるために子どもを使ったんです。
本当に悲しかった。
元夫にとって、子どもは可愛い存在ではなく、“私に嫌がらせをするための道具”に過ぎなかった。
心の底からそう感じた瞬間でした。
子どもよりもお金!卑劣な面会交渉事件
2020年のお正月事件から、4ヶ月後にようやく調停が始まりましたが、元夫の態度はめちゃくちゃでした。
調停の中で、夫が「面会したい」「子どもと会いたい」と言っていたのに、実際には全然連絡をよこさない。
もちろん養育費の支払いはない。
そしてついには、調停員を通して
「養育費を支払わなくてもいいなら、子どもに会わなくてもいい」
と・・・。
しかし、調停員から
「面会と養育費は別問題です」
「面会はしなくても養育費の支払い義務はあります」
「面会はなしでいいですね?」
と、言われて急に「子どもに会いたい会いたい!」と言い出し、まるで
「金を払うなら会わなきゃ損だ」
という態度・・・
お金を払わなくていいなら、子どもには会わなくてもいいんだ・・・
と夫の本音が、私はショックでした。

誠意はどこへ?携帯電話代事件
「養育費を支払わなくてもいいなら、子どもに会わなくていい」
その程度の気持ちなら、「面会しなくてもいいでしょう」と、私は夫と子どもの面会を一切拒否しました。
調停でのやり取りの末、元夫は
「面会を認めてもらえるように、これから誠意を見せます」
と言ったくせに、翌月の養育費の振り込みは1日遅れ、しかも満額ではありませんでした。
差し引かれていた金額は、なんと「私の携帯代」。
離婚したんだから支払う義理はない…という主張らしいですが、なぜそれを子どもの養育費から引く?
しかも前回の調停で「誠意を見せます」と口にした直後のことです。
調停でそのことを相談すると、調停員からはきっぱりと、
「携帯代と養育費はまったくの別問題です。養育費は満額支払ってください」
と命令が下り、ようやく翌日に不足分が振り込まれました。
あんたの誠意ってなんなの?
面会調停の結末!
私はこの時点で、もう限界でした。
調停のたびに嫌がらせのような意味不明の主張を繰り返し、子どもを自分勝手に振り回す夫に、これ以上関わるのは無理だと感じたのです。
面会調停の場では、「なぜ私がここまで面会を拒否するのか」、その理由を調書として残してほしいと求められました。
そこで私はこれまでのすべてを包み隠さず、調書に書き綴りました。
- 結婚生活中からのモラハラ
- 子どもへの理不尽な振る舞いと心ない言葉の数々
- ランドセルを買うと約束して代金未払いにした件
- 正月に子どもに嘘をつかせて義実家へ連れて行った件
- お年玉を横取りした件
どれもこれも、父親として人として信じがたい行動ばかりです。
調停員は同情してくれましたが、それでも「子どものために面会の可能性を考えてあげてほしい」と言ってきました。
私は、
「もう言いたいことはすべて調書に書きました。
夫とはこれ以上、話し合っても意味がない。
次から調停には来ません」
と断言しました。
すると調停員は、
「夫にも調書を読んでもらい、それでどう思ったか、何を考えたかを調書にしてもらいます。
最後にその調書を見て、判断してもらえませんか?」
そう説得され、私は夫の気持ちも知りたいという気持ちもあり、「次の調停を最後にしよう」と決めたのです。
しかし──
その「最後の調停」で、元夫はまさかの欠席。
理由はなんと、
「調書を読んで精神的なショックを受け、体調不良で出席できない」
という、意味不明なものでした。
そして突然、「面会調停も取り下げる」とのこと。
私はそこで確信しました。
この男にとって、面会は“子どもと会う”ためではなく、私に嫌がらせする手段だったのだと。
本当に子どもが大切なら、ちゃんと来るはずです。
自分なりに精一杯、自分の想いを調書にするでしょう。
でも彼は来なかった。
調書を読むのも嫌だったのでしょう。
というか、私の調書を読んだかどうかもあやしいです。
最後は、「妻の調書のせいで体調を崩したかわいそうな自分」で終わらせたかったのです。
もう、言葉を失いました。
父親としての責任や愛情など、一片もありません。
この人にとって子どもは、愛する存在ではなく、ただの“道具”にすぎなかったんです。
子どもがなついている=安心ではない。将来も見据えて考えて
子どもが「お父さん大好き」と言っている今、離婚や別居に踏み切れない気持ち、すごくわかります。
でもそれは、子どもがまだ小さく、父親の本性を知らないからなんです。
将来、子どもが傷ついたとき、その責任をとれるのはあなただけです。
「お父さんが好きだから会わせる」
その選択が、子どもにとって本当に幸せなのか。
どうか、その先のリスクも見据えて考えてあげてください。

まとめ:愛情のフリをした「支配」から、子どもも守ってあげて
元夫は、口では「子どもに会いたい」「誠意を見せる」と言いながら、実際には私たち親子を何度も裏切りました。
子どもを出しにして交渉し、養育費さえもコントロールしようとする。
もうこれ以上、期待することも信じることもできません。
モラハラ夫にとって、子どもへの愛情は“道具”でしかなかった。
離婚が成立しても、油断してはいけません。
本当に子どもを守れるのは、あなたの冷静な判断だけです。
