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「もう無理。離婚したい」
長年モラハラに苦しんできた妻がようやく決断を口にしたその瞬間、それまで冷たく無視し、暴言を吐き続けてきた夫が、突然別人のように泣き崩れ、こう訴えはじめます。
「本当に愛してるんだ」
「反省してる」
「やり直したい。もう二度としないから」
「離婚なんて絶対に嫌だ」
その必死な様子に、妻の心が揺れてしまうのは当然です。
「こんなに私のことを思ってくれていたのかも…」と感じてしまうのも、無理はありません。
しかし――その涙の正体は「愛」ではありません。
モラハラ夫が離婚拒否する3つの理由とは?
モラハラ夫と離婚を決意しても、思うように話が進まない…そんな状況に直面していませんか?
実はモラハラ夫には、「絶対に離婚に応じたくない」と考える深い理由があります。
ここでは、その根本的な心理を3つのパターンに分けて解説します。
それぞれ詳しい解説記事も紹介していますので、あわせてご活用ください。
1. 自覚ゼロ!モラハラしているつもりがない
モラハラ夫の多くは、自分がモラハラ加害者だという自覚がありません。
つまり、「自分は悪いことをしていない」と本気で思っているのです。
本人は、自分のことを人格者だと信じているので、「俺が妻を傷つけるわけがない」と思い込んでいます。
たとえば妻が「あなたの暴言で傷ついている」と訴えても――
「は?俺は何も悪いこと言ってないけど?」
「お前の被害妄想じゃないの?」
「意味がわからない。俺は悪くない」
と、全く話が通じないことも珍しくありません。
かつて私の元夫もそうでした。
前の奥さんと離婚した理由をまったく理解しておらず、「俺は尽くしてきたのに、なぜこうなるんだ」と嘆いていました。
私との離婚にしても、
「こんなに尽くしたのになぜだ!」
「女運の悪いかわいそうな俺!」
としか思っていないようです。
つまり、離婚の理由が理解できないからこそ、離婚にも納得しないという構図です。

2. 妻の気持ちを想像できない(あえてしない)
モラハラ夫は、相手の気持ちに共感する力が極端に弱い傾向があります。
しかし、それは「妻の気持ちがわからない」わけではありません。
むしろ、妻の一番つらいところをピンポイントで突いてくるなど、理解していなければできない言動を平気でとります。
つまり彼らは、
妻の気持ちを理解しながらも、
- 「思い通りにはさせたくない」
- 「離婚なんて認めたら負けだ」
という対抗心で、あえて妻の意思を拒絶してくるのです。
たとえ自分が何度も「離婚だ!」と言っていたとしても、いざ妻が本気で離婚を言い出すと
「お前の思い通りにはさせるか!」
という気持ちから、離婚に応じない可能が非常に高いです。

3. 自信がないから、変化が怖い
モラハラ夫は、意外にも自分に自信がないタイプが多いのです。
そのため、気の優しい女性をパートナーに選び、威圧的な態度で「自分の優位性」を保とうとします。
しかしその妻が、自らの意思で「離婚したい」と言い出した瞬間――
これまで信じていた「俺には絶対逆らわない存在」が崩れ去ります。
結果、彼の内面ではパニックが発生します。
「どう対応すればいいかわからない」
「まさか本気で離婚されるなんて…」
「現実を受け入れられない」
そうした混乱と不安から、とにかく離婚を拒否して現状維持を図ろうとするのです。
このとき、彼は愛情ではなく「恐怖」と「プライド」で動いていることを忘れないでください。

「別れたくない」は支配のための常套句
モラハラ夫が言う「離れたくない」「愛してる」は、一般的な人の感情とはまったく意味が異なります。
- 愛しているから一緒にいたい
- 後悔していてやり直したい
- 自分の快適な環境を壊されたくない
- ターゲットを逃したら、ストレスをぶつける相手がいなくなる
- 優越感を満たせる対象が消える恐怖
つまり、自分本位の危機感でいっぱいなのです。

戻っても、また繰り返されるモラハラの罠
一度よりを戻したとしても、モラハラ夫の根本的な思考や価値観が変わっていなければ、また同じ地獄が始まるだけです。
「どうせお前も俺がいないと無理なんだろ?」
「口では離婚って言っても、結局戻ってくるじゃないか」
そう捉えられ、次はさらに巧妙で深刻なモラハラが待っています。
離婚を決意したあなたへ——情に流されない覚悟を
あなたの「離婚したい」という言葉は、長年の苦しみと勇気の集大成です。
そこにモラハラ夫がどれだけ悲壮感をにじませようとも、それに流されてはいけません。
- 「誰にどう思われても、私は私の人生を守る」強い覚悟
- いきなりの離婚が不安なら、まずは別居から始める
- 弁護士や公的機関に相談して、冷静な準備を進める
- 自分が「悪いのかも」と感じたら、それはモラハラの洗脳のせいと気づくこと

【まとめ】離婚は「愛を捨てる行為」ではなく、「自分を取り戻す行為」
モラハラ夫がどれだけ離婚を拒んでも、それはあなたへの愛ではありません。
彼にとってあなたは、自己中心的な快適さを保つための「道具」に過ぎなかった可能性があります。
あなたがすべきことは、「情に流されること」ではなく、「自分を守ること」。
- 別居や弁護士相談など、具体的な第一歩を踏み出しましょう。
- あなたの人生は、あなたのものです。モラハラ夫の言葉に支配される必要はありません。
- 一人で抱え込まず、信頼できる相談窓口や支援団体にアクセスしてください。
