「最近、夫が優しい。」
「怒ってばっかりだった夫がウソみたいに穏やか……」
「心を入れ替えてくれたのかしら・・・?」
あなたはそんな変化にホッとしながらも、「またいつか爆発するかも」と不安になっていませんか?
それ、モラハラの“サイクル”の一部かもしれません。
この記事では、モラハラの3つのサイクルとその危険性、特にハネムーン期の落とし穴について、わかりやすく解説します。
「夫が変わった」「やっぱり私の勘違いだったのかも」と思ってしまいやすい時期ですが、そこにこそ、最も危険な“洗脳の罠”が隠されているのです。
モラハラサイクルとは?3つの段階に注意
モラハラは、常に怒鳴ったり暴言を吐いていたり、イライラしているわけではありません。
夫が優しくなる「ハネムーン期」があるからこそ、妻はモラハラから離れられなくなるのです。
モラハラには以下の3つのサイクルが繰り返されます。
- 蓄積期
- 爆発期
- ハネムーン期
このループが繰り返されることで、妻は精神的に追い詰められ、洗脳や依存状態に陥ってしまいます。
蓄積期:静かなる緊張が続く日々
この時期、モラハラ夫は露骨に怒鳴ったりはしません。
しかし、夫のイライラが少しずつ溜まり、目つき、態度、ため息、沈黙、皮肉、ネチネチとした嫌味などで、妻の心にじわじわとプレッシャーをかけてきます。
- 小さなミスに対して何度も文句を言う
- 無視をして会話を遮断する
- 「空気がピリつく」ような緊張感が日常にしみ込む
まるで“地雷原を歩いているような生活”。
この状態が長引くことで、妻は常に神経を尖らせ、「怒らせないように」と自分の行動を制限し始めます。
すでにこの時点で、モラハラの支配が始まっているのです。
爆発期:突然怒鳴り始める嵐のような暴力
ある日突然、夫の怒りが爆発します。
これまでの不満やイライラを一気に吐き出すように、激しい暴言や威圧的な態度が襲ってきます。
何気ない言葉や態度に激高し、以下のような行動に出ます。
- 大声で怒鳴る、モノに当たる
- 「お前なんていらない」「誰のおかげで生活できてると思ってる」と人格を否定する
- 無視をしたり、夜中に家を追い出すなど極端な行動に出る
- 何もしていないのに、怒られることも!
この爆発は、まさに感情の“噴火”。
しかしそれは偶発的なものではなく、「蓄積期」で静かに準備されていた“計画的な爆発”なのです。
妻は理不尽な怒りにショックを受け、「私が悪かったのかな」「次は怒らせないようにしなきゃ」と、さらに自己否定を深めていきます。
ハネムーン期:優しさという“罠”に注意!
爆発期が終わると、モラハラ夫は突然優しくなります。
- 「怒鳴って悪かったな」「お前のこと大事にしてる」
- 花を買ってきたり、外食に誘ったりする
- 家事を手伝う、子どもと遊ぶ
など、謝罪や感謝の言葉をかけてくることもあります。
ここで妻はホッとし、
「やっぱりこの人は根は優しいんだ」
「今度こそ変わってくれたのかも」
と、受け取り、心が一時的に解放されたように錯覚します。
でも、この優しさこそが最も危険。
なぜなら、それは“支配のための道具”だからです。
モラハラ夫は妻の心を完全に掌握するために、優しさをあえて見せ、「もう逃げなくていいかな」と思わせようとしているのです。

なぜ逃げられない?──洗脳されていく心のメカニズム
恐怖と安心の“繰り返し”が洗脳を生む
この3つのサイクルは、モラハラ夫にとって「感情のコントロール手段」であると同時に、妻を心理的に縛る“洗脳サイクル”でもあります。
人間は強い恐怖を感じた後に、急に安心を与えられると、「また恐怖に戻りたくない」という思いから、その安心にしがみつくようになります。
これを「トラウマボンディング(情緒的依存)」といい、DVやカルト宗教などのマインドコントロールにも共通する心理現象です。
つまり、モラハラ夫が優しくするのは、“自分を失わないようにするための作戦”。
優しさは「関係の修復」ではなく、「支配の再構築」なのです。

「私が悪い」と思わされていませんか?
「私がもっと気をつけていれば」
「夫の機嫌を取るのが下手だったかも」
と、あなたは自分を責めていませんか?
それこそが、モラハラの最も恐ろしい点です。
加害者が責任を取らず、被害者がすべて背負わされてしまう。
これは偶然ではなく、“責任のすり替え”という支配のテクニックです。
夫の暴言や態度の変化に翻弄され、自分が正しく判断できなくなるように仕向けられているのです。

冷静に“サイクル”を記録することからはじめよう
どんなに優しくされても、その後にまた暴言が繰り返されるようなら、それは愛ではありません。
まずは、夫の言動を記録することから始めてください。
- 優しくなった日
- 暴言を吐かれた日
- どんな言葉・態度だったか
手帳やアプリ、スマホのメモでも構いません。
この記録をつけていくことで、「またハネムーン期だ」「そろそろ爆発が来るかも」と冷静に現実を見つめ直すことができるようになります。
まとめ:優しさに縛られないで、あなたは悪くない
モラハラのサイクルは、一見すると“関係が修復したように見える”時期があるため、非常に厄介です。
でも、安心してほしいのは――あなたの感じている違和感は、きっと正しい。
夫の優しさに安心してしまいたくなる気持ち、信じたい気持ちは自然なものです。
けれど、その優しさが「繰り返される暴力の一部」だとしたら――?
あなたと、あなたの人生、そしてお子さんを守るためにも、ぜひ今、このサイクルを抜け出す“準備”を始めてください。
