モラハラは魂の殺人といわれるほど、被害者の心をひどく傷つける行為です。
夫からの暴言や怒鳴り声、無視などの態度が怖くて、理不尽と思いながらも自分の心を押し込めて夫の言う通りに動くしかなかったモラハラの被害者は、ひどく心を傷つけられます。
自分らしい感覚や感情を失い、価値観までも捻じ曲げられることもあります。
夫から長年モラハラを受け続けた被害者は、加害者と別れた後もトラウマや後遺症で苦しんでいる人も大勢いるのです。
そんな心に深い傷を負ったモラハラ被害者が、一日も早くモラハラの被害から抜け出し、心が回復できる環境をつくってほしいと心底思います。
この記事ではモラハラ被害者が、心を回復するために必要な3つのステップについてご紹介します。
モラハラ被害者が回復するために必要な3つのステップ!
それではモラハラ被害者の心の傷を回復するために必要な、3つのステップをご紹介します。
モラハラの被害を認める
基本的にモラハラ夫は、「お前が悪いから俺はこんなに怒っているんだ」というスタンスであなたを責めてきます。
毎日のように「お前が悪い」「お前のせいだ」といわれ続けるうちに、私が悪いから夫はこんな風になったのかと思うようになるんです。
モラハラの被害者は自分せいで夫がこのような態度になったんだ、といって自分を責める傾向にあります。
なかなか自分がモラハラの被害者だと認めることが難しいのも、夫から罪悪感を植え付けられて加害者意識が強くなっているのです。
モラハラ被害者の心が回復するためには、まずはこれまで モラハラの被害に遭っていたことを認めることが大事です。
私はモラルハラスメントという、虐待行為を受けた被害者なんだと受け入れることが大事です。
自分の気持ちと向き合い吐き出す
モラハラ夫と別れてからしばらくすると、喪失感を抱いたり、夫に対して怒りがわいたり憎んだり、自分を責めたりとさまざまな感情が時間と共に渦巻いてきます。
湧き上がる感情を否定したり押し込めたりしては、心はますます傷を負ってしまいます。
それらの感情と向き合い、しっかりと味わって吐き出すことが大事です。
夫と別れた喪失感、さみしさを感じたら、とことん落ち込んで自分を抱きしめながらたくさん泣けばいい。
夫に対して怒りや憎しみの感情がわくのなら、もう気が済むまで憎んで憎んで怒り狂っていい。
自分の中の負の感情、どす黒い感情をすべて吐き出していきます。
信頼できる人(専門のカウンセラーや心療内科の先生など)にすべて話す、文字にして書きなぐる、レコーダーなどに音声を残してもかまいません。
ノートや日記、ネットならブログや相談掲示板などなんでも構わないので、安全な場所ですべて吐き出していきます。
大切なのは自分の黒い感情を、ためたままにして心に置いておかないことです。
また「こんな汚い言葉を使ったらいけないかな」など、心にブレーキを掛けないことも大事です。
相手を憎んでいる自分はなんて醜いんだ・・・と自分を責めたり罪悪感を感じる必要はありません。
それだけのことをやられてきたんですから、憎んで当然なんです。
その感情もまた受け入れ、「こんなに相手を憎むくらい私は傷ついてきたんだ」と受け入れてあげましょう。
どんなに汚くても醜くても、心からでてきた素直な言葉、感情をそのまま文字や言葉にしていくことが大事ですよ。
自分を許し心を癒す
心の中の渦巻く感情、様々な思いを全て吐き出してしまったら、今度はあなた自身を許し心を癒してあげます。
私はよく頑張ったと自分を認めほめてあげることで、夫によってバラバラになった心を取り戻していきます。
できたこと、できなかったこと、頑張ったこと、頑張れなかったこと、すべて認めて許してあげましょう。
「私ってそんなに価値のない人間じゃないよね」と、なくしていた自尊心を思い出して、新しく対等な人間関係を築いていきます。
そしてモラハラ夫から植え付けられた価値観や常識にとらわれずに自由に選択をしていくことで、自分の感覚や価値観を取り戻せるようになっていきます。
自分の感覚や価値観を取り戻していこう
これまでは夫のいいなりになるしかなかった被害者は、自分の好みや趣味、価値観などを失ってしまっていることがあります。
自分の奥にある感情を認め受け入れそして吐き出し、自分を許して癒すことで、少しずつ夫とのモラハラ生活が過去のものへと変わっていきます。
過去に変わっていく中で、自分の楽しい!好き!気持ちいい!といった感覚や価値観を取り戻していくことができます。
自分のことを自分で自由に決めることができるようになっていくんです。
たとえば私の場合、元夫と別居して1年以上経って、はじめて元夫の許可なしに髪をバッサリショートにしました。
これまで元夫はロングヘアが好きだからという理由で、髪を短くするとイヤな顔をされていたため、無意識で肩より短くするのは控えていたんです。
別に夫に命令されていたわけではないので、私自身が自分で決めてセミロングからロングヘアを楽しんでいると錯覚していました。
夫と別居した後もしばらくは夫の嫌いな音楽番組は見なかったし、髪はロングのままでした。
イヤな顔をする夫はいなくても、なんとなく髪をショートにすることに罪悪感を感じていたのかもしれません。
しかし自分の感覚を取り戻したとき、「やっぱり私も夫に洗脳(マインドコントロール)によって支配されていたんだ」と心の底から気がついたんです。
久しぶりに自分でショートカットにすると決めてバッサリ切ったときは、何とも言えない解放感を感じました。
これまで晩ご飯に夫の好きなおかずを必ず1品入れていたという人も、これからはあなたと子どもの好きなおかずだけ作ればいい。
夫が嫌いだからといって見るのをやめていたドラマも、気兼ねなく見たらいい。
好きなファッション、髪形、仕事、人間関係、エンタメ。
心が回復したとき、自分の好きという感覚、楽しいという感情、自分のゆずれない価値観を取り戻すことができます。
心からワクワクしたりドキドキできるようになって、特別何かいいことがある訳じゃなくても人生がとってもHAPPYになっていきますよ!
まとめ
案外モラハラの被害者は、自分が傷ついていることに気がついていない人が非常に多いんです。
被害者になる人は、他人の心には敏感だけど自分の心に鈍感な人が多いんですよね。
だからまず自覚することはとっても大事です。
そこからさまざまな感情に飲み込まれそうになったり苦しい時期もあるかと思います。
だけどそれは、それだけこれまで傷ついていた証拠だと思うんです。
自分で気がつかないうちにものすごくものすごく傷ついていたから、回復するのもものすごく大変だし時間もかかります。
ひとりで大変なら、周りの人に相談をして必ずサポートしてもらうようにしましょう。
それくらい心は疲れているということを自覚して、本来の自由な心を取り戻すようにしてくださいね!