ネットで見るモラハラの数々を見ていると、私がされていることなんて大したことないな。
私の夫はそんなにひどくないし、モラハラじゃないのかもしれない・・・
そんな風に考えている人も、いるかもしれません。
実はその「そんなにひどくない」と考えていることが、非常に危険である場合があります。
それこそがサイレントモラハラである可能性があるんです。
もしあなたが「夫のモラハラはたいしたことなくて、もしかしたらモラハラ夫ではないかもしれない」と思っているなら、ぜひ最後まで読んでくださいね。
この記事では、サイレントモラハラについて、詳しくご紹介します。
本当に怖いサイレントモラハラ
一般的にモラハラというと、言葉の暴力があげられるかと思います。
妻を見下したりバカにした態度。
平気で妻を傷つけたり大声でわめいたり・・・
ネット上でもそういったエピソードがあちらこちらにあるので、そんなひどいことはされていないから私の夫はモラハラじゃないかもしれない・・・と考えている人もいるかもしれません。
でも実は、暴言を吐くモラハラ以上に恐ろしいのがサイレントモラハラといって、暴言のない静かなモラハラがあるんです。
あまりにも静かで密かに行われ、一見モラハラやいじめとはわかりません。
しかし被害者自身も気がつかないうちに確実に精神的に追い詰められていき、「空気の暴力」といわれることもあるんです。
「空気の暴力」といわれる、サイレントモラハラの特徴をご紹介します。
何日も無視する
まずモラハラの中でもよくあるのが、何日も無視をするです。
普通の人は仮に無視したとしてもせいぜい数時間程度、長くても1~2日程度ですが、 モラハラ夫は平気で何日も何ヶ月も無視します。
怒鳴られるわけでもないし、暴言を吐かれるわけでもないですが、自分のことを否定されているように感じ居心地が悪くなるんです。
突然無視がはじまり、ある日突然元に戻ったりするので、それに巻き込まれる妻は精神的にどんどん追い詰められていきます。
大きなため息や舌打ちをする
これもよくあります。
私の元夫も付き合っているときから、わざとらしいため息が非常に多く、気にはなっていました。
とはいえ、ため息くらい大したことがないと思いがちですよね。
まさかこれがモラハラの特徴だとは、思ってもいませんでした。
夫からはなに言われないけれど、たびたびつく大きなため息。
もしくは舌打ち。
何が気に入らないのかわからないし、怒っているかもわからない。
私がなにか悪いことをしてしまったのかしら・・・
いつまでも夫がそんな態度だと、あなたは気になって落ち着きませんよね。
また例えば洗い物をしているときにお皿を落としてガシャーンと割ってしまったときに、夫から「はぁー」「ちっ」とこれ見よがしに大きなため息もしくは舌打ちなんてされると
といわれているようで、「あぁ私ってやっぱりダメなんだわ」と自分を責めてますます落ち込んでしまいます。
いつも冷たい表情もしくは睨んだり目を合わせない
特に文句や暴言を吐くわけではないけれど、ムスっとしていつも冷たい表情。
こちらから話しかけると、冷たい目で睨まれる。
もしくは話しかけているのに、目を合わせようともせず私の存在を否定しているような態度・・・
こういう夫の態度も、日常的に繰り返されることで妻の精神を追い詰めていきます。
夫の仕事が忙しいと、「今日は仕事で何かイヤなことがあったのかな」と最初は感じるかもしれませんが、いつまでもそんな態度だと、だんだん「私がなにかしたのかな」と気になるようになります。
大きなため息や舌打ちと同じように、あなたの自責の念を刺激してきます。
独り言のように文句をいう
ボソボソと独り言のように文句を言うのも、サイレントモラハラの特徴です。
妻が聞き取ることができなくて「え?なにか言った?」と聞き返すと「お前に言ってねーよ」とキレられたり、無視される。
独り言かと思っていても、その内容が文句ったらしい内容だと、自分に言われているのか?という気になってきます。
直接自分に言ってくれないので、何が気に喰わないのかわからない。
サイレントモラハラは、何がイヤなのかよくわからないけど、なんか機嫌が悪い様子の夫に振り回されていくうちに
「私が悪いから機嫌が悪いのか」
「何か気がつかないうちに夫を怒らせるようなことをしたのかしら?」
と思わせることで、あなたの罪悪感を刺激してコントロールしていくんです。
あなたがモラハラに気がつかない理由
あなたが「夫はモラハラじゃないかもしれない」と思いつつ、「夫といる時間が苦痛」に感じているなら、それはサイレントモラハラかもしれません。
サイレントモラハラの場合、妻の人格を否定するようなひどい暴言を吐いたり、大声で怒鳴ることがほとんどないので、気がつきにくいケースが多いんです。
特に普通にコミュニケーションしている中で、大きなため息や舌打ちなどをされると、悪いのは私で、私が至らないから夫がイライラしていると思いがちです。
そもそもモラハラ夫というのは、自分が正しくてすべて妻が悪いというスタンスで責めてきます。
仮に自分の失敗であっても、妻に責任を押し付けて「お前のせいでこんなことになったんだ」と責めるうえに、常識を盾に責めてくるので、非常に説得力があるんです。
例えば私の夫の場合、家族みんなで家で食事をしているときにテレビを見ていた時です。
わが家はいつもテレビがついていました。
テレビの内容は基本的に夫の好きな番組か、子どもと夫が好きな番組しかかかりません。
その時かかっていた番組は、私と子どもは好きな番組だけど、夫は興味のない番組。
私ひとりが好きな番組なら「子どもがおもしろくないだろ」といって、子どものためという体裁をとって堂々チャンネルを変えることができます。
だけどその時は子どもも好きな番組。
さらに私も好きな番組だけど、夫は好きじゃないという点が気に入らなかった様子。
子どもがテレビに熱中して箸が止まっているのを見て元夫は
子どもが全然食べへんやろ!
テレビ消せ!
と、突然怒鳴られたんです。
私も反射的に慌ててテレビを切りました。
「食事中にテレビを見せるのは教育上良くない」という、いかにも常識的に言われたため私自身も「食事中にテレビを見せていた私が悪い」と反射的に思ってしまったんです。
しかし次の夕飯の時間、夫はテレビをつけて自分の好きな番組を見ながらゲラゲラ笑っています。
このとき子どもの箸が止まり、テレビに熱中して食事が進まないことには一切触れず。
結局夫は教育上食事中にテレビを見せるのが良くないという信念も、子どもがテレビに夢中で食事が進まないことに対する危機感もなになく、
「俺様の見たい番組が見られないなら消してしまえ」
というだけだったんです。
このときはすでに別居していたので、洗脳が解けかかっていたことですぐにその違和感に気がつくことができました。
しかし、こういったことが夫との生活の中で日常的に繰り返されてきて、私自身「夫が正しい、私が悪い」と思ってしまっていたという事実に驚愕します。
このようにまるで夫が言っていることは正しく、常識的な風に相手を責めてくるので、モラハラはわかりにくく、気がつきにくいんです。
でももし、 あなた自身が夫との時間を居心地が悪く、なんとなく責められているように感じたり、いつも私が悪いんだと罪悪感を抱いているなら、それはモラハラの可能性が高いです。
まとめ
モラハラ夫は「俺様がいつだって正しく、妻に対して寛大で、できない妻のせいで俺の方が被害者だ」と本気で考えています。
妻を追い詰めているなんて爪の垢すら思っていません。
そういうスタンスであなたを静かに責めて、あなたの罪悪感を刺激して自己肯定感を根こそぎ削っていき、「いい妻でありたい」というあなたの心を利用して、あなたの心を支配していきます。
そして誰かに夫のことを話しても、言葉にするとそれはチープでなかなか他人に理解してもらえません。
「こんな小さなことでいちいち落ち込むダメな私」とますます自分をせめることに・・・
まずは「気づくこと」が大事。
そしてモラハラかどうかにこだわるよりも、「今私は夫といると苦しい、辛い」というあなた自身の感情にフォーカスしてみてくださいね。