亭主関白や横柄でわがままな夫も世の中たくさんいて、モラハラ夫とよく混合されやすいのですが、実はモラハラ夫とは根本的にまったく性質が異なります。
亭主関白や横柄でわがままな夫とモラハラ夫の違いをご紹介します。
亭主関白とは?
亭主関白とは、「家の中での主導権をにぎり偉そうにしている夫」のことをいいます。
あくまで主導権を握っているだけで、支配しているわけではありません。
家族をまとめ、家族の幸せのために信念をもって家族を導いてくれるのが亭主関白です。
昭和の家族ドラマなんかでは、頑固一徹で口下手だけど不器用で家族思いというイメージがありますね。
他人に厳しいですが自分にも厳しい厳格な父・夫で、実は心の中では妻や家族を第一に考え、愛情や思いやりはあるのです。
いざとなれば妻や家族を守り、妻や家族のために戦うことができるのが亭主関白です。
亭主関白とモラハラ夫の違い
亭主関白は普段は寡黙で偉そうですが、妻や家族に対して愛情や思いやりがあり、家族の幸せのために何をするべきかを第一に考えています。
モラハラ夫は、どうすれば自分が悪者にならずに堂々と妻に嫌がらせができるかを第一に考えています。
妻や家族に対する愛情や思いやりは、一切ありません。
亭主関白とモラハラ夫の決定的な違いは、妻や家族に対する愛情や、思いやりがあるかないかではないでしょうか。
例えば妻が冷めた食事を出したとして、亭主関白は「冷めた飯なんか食えるか!」と言って食べなかったとしても、翌日あたたかい食事を出せば機嫌よく食べてくれますが、モラハラ夫は違います。
モラハラ夫は「冷めた飯なんか食えるか!」と言って食べなかったので、次の日あたたかい食事を出せば
と怒鳴ってきます。
どんなに気をつけて食事を出したとしても、
「出てくるのが遅い」
「品数少なくない」
「味が濃い」
などなど、何をどうしたって文句をいいます。
しかもその文句を、ネチネチといつまでもいつまでも言い続けます。
そう本当に何時間でも。
亭主関白は自分の言いたいことを妻に伝えれば、後はねちねちいつまでも文句など言いません。
亭主関白は信念を持っているのでしっかりと筋を通しますが、モラハラ夫には信念なんて全くありませんし、筋を通そうという気もありません。
モラハラ夫は結局妻が何をどうやっても納得しませんし、思いがけない方向から文句と罵倒が飛んできます。
「あたたかい食事を出せ」といわれたからあたたかい食事を出せば、「ヤケドするだろ」と文句を言うのがモラハラ夫です。
亭主関白とは根本的にまったく異なります。
横柄な夫とは?
横柄な夫は、「いばって人を見下したような態度」「自分勝手」「自己中心的」な夫のことをいいます。
自分の目的や欲望のために、平気で妻を犠牲にしたり嘘をついたりします。
自分の欲望を満たすために、妻にイヤな思いをさせているという自覚はあるわけです。
妻が毎日そんな夫のわがままに黙って耐え、感謝してくれていると気づくと、横柄な夫もさすがに罪悪感を持ちはじめます。
横柄な夫が罪悪感を持ちはじめ、反省の言葉が少しでも出てきたら、横柄な態度が少しずつやわらかくなってくる可能性があります。
横柄な夫は、妻に悪いことをしているという自覚があり、罪悪感を持つところがモラハラ夫と決定的に違います。
横柄な夫とモラハラ夫の違い
横柄でわがままな夫はモラハラ夫とよく似ていますが、やはり根本的に違います。
横柄な夫には罪悪感がありますが、モラハラ夫には罪悪感なんてありません。
モラハラ夫には、自分が妻に対して悪いことをしているという自覚は全くないからです。
むしろ自分が正しいと思っています。
そして横柄な夫は、妻が自分の態度や言葉で傷ついていることをわかっています。
わかっているけど、自分のやりたいことわがままを押し通したいので、暴言をはいて脅して好きなことをやり通します。
モラハラ夫も、本当の本音では妻が自分の態度や言葉で傷ついていることをわかっています。
モラハラ夫は妻を傷つけ、支配する目的で暴言を吐きます。
(注意ですが、
あくまでモラハラ夫には妻をいじめている意識や自覚はありません。
すべて無意識でいじめ、支配をおこなっています)
支配することで、モラハラ夫が今後快適に暮らせることを知っています。(無意識で)
横柄な夫は自分の都合で、好きなことの邪魔をされたくなくて暴言を吐きます。
モラハラ夫は妻を支配するために暴言を吐きます。
暴言を吐く目的がまったく違うんです。
横柄な夫は、本当は相手の気持ちや状況などもわかってはいるけれど、○○をどうしてもやりたくないから、相手のことを考えないようにしているだけなんです。
一見モラハラ夫よりもタチが悪そうな横柄な夫ですが、わがままも自己中も、あくまで大人の常識の範囲内のことしかやりません。
モラハラ夫は支配が目的なので、相手の気持ちも状況もなにも考えようとしません。
ですから、大人の常識を超えて「ここまでやるか?」というレベルのことまで踏み込んできます。
モラハラ夫に上限も加減もありません。
横柄でわがままな夫とモラハラ夫の決定的な違いは、自分のわがままを通すための暴言か、支配のための暴言か、大人の常識の範囲内の嫌がらせか上限があるかないかです。
横柄な夫は人格障害ではないので、自分の行いを反省して改心すれば、妻に対して思いやりのある夫に変わる可能性もありますが、モラハラ夫には妻をいじめることや支配することが目的なので、改心という概念がありません。
そのうえでむしろ自分が被害者だと思っているのでたちが悪いです。
まとめ
モラハラ夫と亭主関白と横柄な夫とは、似ているようでどれも根本的に違います。
亭主関白と横柄な夫も全く違います。
亭主関白には大前提として、妻や家族に対する愛情や思いやりがあります。
横柄な夫は妻や家族に愛情はありますが、思いやりはありません。
モラハラ夫は妻や家族に対して、愛情も思いやりもありません。
モラハラ夫は妻を支配することが目的なので、大人の常識の範囲を超えて
「ここまで言うか」
「こんなひどいことよく平気でできるな」
ということを平然とやったうえで、自分が被害者だと主張してきます。
自己暗示をかけて本気で自分は被害者だと信じているので、どんなに話し合ったとして周りが説得したとしても「頭のおかしい女が俺を陥れようとしている!」などと考えます。
一方横柄でわがままな夫は自分が妻にひどいことをしている自覚はあるし、良心もあるので
「これ以上言ったらさすがに良くない」
「これ以上のことをやれば決定的に関係が壊れるだろう」
とわかっているので、加減ができますし、自分が被害者だとは決して思っていません。
亭主関白は偉そうにするけど、その言動の裏には「家族の幸せのため」という信念があるので、そもそも暴言ははきません。
このようにモラハラ夫と亭主関白・横柄なわがまま夫は決定的に違うので、対応なども変わります。
自分の夫が亭主関白なのか、横柄でわがままなだけの夫なのか、モラハラ夫なのかをしっかり理解したうえで対処するようにしましょう。