「なんだか話がかみ合わない」
「事実と違うことを周囲に言われている気がする」
そんな違和感を覚えたことはありませんか?
実はそれ、モラハラ夫によく見られる“嘘”の特徴かもしれません。
誰でも一度は嘘をついた経験があると思いますが、モラハラ夫の嘘は、私たちが思う“普通の嘘”とはまったく異なります。
本記事では、モラハラ夫がつく嘘の特徴やその裏にある心理構造を、被害者の立場に寄り添いながら詳しく解説します。
モラハラ夫の嘘には“悪意”が潜んでいる
私たちが日常でつく嘘は、多くの場合「自分を守るため」の小さなものでしょう。
「バレたら困る」「怒られたくない」といった防衛的な理由によるものです。
たとえば──
- 本当は寝坊だけど・・・「バスが遅れた」と遅刻の言い訳
- 本当は飲み会だけど・・・妻には「残業がある」
- 本当は2000円のランチだけど・・・「800円って言っておこう」
こうした嘘にはどこかに後ろめたさがあり、できればバレたくないという気持ちが働きます。
だからこそ嘘をついたあとは罪悪感にさいなまれることもありますよね。
ところがモラハラ夫の嘘は、まったく性質が異なります。
他人(特に妻)を貶め、自分の立場を高めるための“攻撃的な嘘”なのです。
たとえば──
「うちの妻、家事をまったくしないんだよ。俺が全部やってる」
「育児もほとんど放棄してる。だから子どもがかわいそうでさ」
実際には妻がすべての家事育児をこなしていても、モラハラ夫はこのような嘘を周囲に平然と語ります。
なぜこんなことができるのでしょうか?

モラハラ夫が嘘をついても罪悪感を抱かない理由
「嘘」を「真実」にすり替える“自己暗示”
モラハラ夫は、自分に都合のいいストーリーを脳内で作り上げ、それを“真実”として信じ込みます。
たとえば、妻がきちんと夕飯を用意していても、夫が機嫌を悪くしたいときには──
「食事が不味かった。これは食事とは言えない」
「栄養のバランスが悪い」
「そもそも手抜きだ」
という“物語”を自分の中で捏造します。
そしてそれを、「事実だ」と本気で信じ込んでしまうのです。
だからこそ、モラハラ夫の言葉には説得力があるように聞こえてしまう。
第三者がその話を聞けば、「そんな奥さん、ひどいよね」と同情すらしてしまいます。
けれど、その話は「真実」ではなく「自己暗示によって作られた物語」なのです。
嘘をついている自覚がないから、平気で人を傷つけられる
モラハラ夫本人は、“嘘”ではなく“事実”を語っているつもりでいます。
だから罪悪感もなければ、「バレたらどうしよう」という不安もなく、非常に堂々としています。
これが、モラハラ夫の嘘が被害者にとって非常にダメージが大きい理由です。
- 「あなたの話、矛盾してるよね」と指摘すれば怒鳴られる
- 「そんなこと言ってないよ」と反論すれば、逆に「お前が嘘つきだ」と責められる
- 周囲に誤解されたくなくて話しても「夫はそんなこと言う人に見えない」と信じてもらえない
- あまりにも堂々としているので、自分の勘違いなのかと感じる
被害者であるはずの妻が、いつのまにか“嘘つき”のレッテルを貼られ、孤立していく。
それが、モラハラ夫の嘘によって引き起こされる現実です。

モラハラ夫にとって「嘘」はモラハラのための武器
モラハラを正当化するための「口実作り」
モラハラ夫にとって、妻を責めることはストレス解消であり、自分の価値を保つための行為です。
でも、何も理由がなければ妻を責めるのは難しい。
だから、理由を“作る”のです。
たとえば、最近妻がミスをしなくなってきたとき──
モラハラ夫の心の中で、“妻は料理をちゃんと作っていない”という嘘が“真実”に変換されます。
そしてこうなります。
「俺の健康を考えないなんてひどい」
「ちゃんと栄養バランス考えろよ!」
「こんな食事じゃ生きていけない」
それを、周囲に向けても堂々と語ります。
「うちの妻、まじでひどいんですよ。食事も作らないし、オレが全部やってる」
もちろん事実ではありません。
でも彼の中では、これが“嘘ではない”のです。

まとめ:モラハラ夫の嘘に気づいても、自分を責めないで
モラハラ夫がつく嘘は、悪質です。
けれど、それ以上に恐ろしいのは「本人に嘘をついている自覚がないこと」です。
どれだけ正しい証拠を突きつけても、「そんなつもりで言ったんじゃない」
「お前がそう言わせたんだろ」と、結局すべてを妻のせいにして終わります。
つまり、話し合いは成立しません。
あなたが何度も冷静に説明しても、何も変わらないと感じているなら、それはあなただけの問題ではありません。
嘘に振り回され、自信を失い、心が壊れてしまう前に、専門家に相談するという選択肢も、ぜひ考えてみてください。
あなたのその違和感は、きっと正しい。
あなたは“悪くない”のです。
