モラハラ夫は「冗談」を免罪符にして、妻をたびたび傷つけます。
「たかが冗談でしょ?」
「そんなに本気になるなよ」
――そんな風に言われた経験、ありませんか?
それ、“たかが冗談”ではありません。
もしその言葉であなたが傷つき、怒りや悲しみを感じたのなら、それは心への暴力=モラハラです。
モラハラ初期には、暴言や無視といったあからさまな行動ではなく、「冗談」という言葉を武器に、あなたの心を少しずつ削ってきます。
それは、妻を傷つけても“冗談”という言葉で正当化し、自分の加害性を覆い隠す巧妙な支配の第一歩。
この記事では、
- 冗談を使ったモラハラの見抜き方
- 徐々に支配されていくメカニズム
- そして“自分を守るための気づきと行動”
を、わかりやすくお伝えします。
“冗談”を隠れ蓑にした支配のはじまり
冗談での攻撃は、初期のモラハラの代表的手口
冗談とは、場を和ませたり、笑いを共有したりするための「軽い言葉」です。
言われた本人や聞いている周りの人間を和ませたり、楽しませるためのコミュニケーションの一種として使います。
しかし、モラハラ夫の“冗談”は違います。
この時点では、モラハラ夫はまだあなたを完全に支配しきれていません。
そのため、表立って暴言や無視をせず、「冗談」という免罪符を使って様子を見ながらあなたの反応を確かめているのです。
仮に、「失礼なことを言うのね」とあなたが怒ったとしても、「冗談なのに本気にするなよ」と言われて受け入れてしまったら・・・
「こいつは俺のモラハラを受け入れてくれる!」
と、ターゲット認定されてしまうんです。
冗談のふりをした“悪意ある言葉”
初期のモラハラでよく使われるのが、“冗談”という名の攻撃です。
一見笑いに包まれているけれど、実はその言葉にはしっかりと悪意が含まれています。
たとえば、こんなふうに――
「それ昔流行ってたけど、まだ使ってる子いるんだ!」
「お前のそういうとこ、絶妙に残念なんだよな(笑)」
「そんな趣味にお金かけるなんて、他にやることないの?」
言われたあなたが不快感を表すと、モラハラ夫はすぐにこう返します。
「いやいや、冗談やん?ムキになりすぎ(笑)」
「そんなに本気にするとは思わんかったわ」
ここであなたが、「あ、私が気にしすぎたのかも…」と自分を責めてしまったら、モラハラは成立しています。
“気のせいかも”と流すと、モラハラは本格化する
モラハラ加害者は、相手の反応をしっかりと観察しています。
あなたが嫌な顔をしても、「冗談でも不快」ときっぱり伝えない限り、
「この人はいけるな」
「嫌がっても結局許してくれるタイプだ」
と判断され、モラハラの標的として認定されてしまうのです。
最初の段階であなたが、
「その言い方、例え冗談でも私は嫌だから、やめて」
「面白くないし、笑えない」
と、毅然とした態度で伝えることができれば、モラハラ男のターゲットから外れていた可能性が高いです。
私の体験談:そんなことで怒る私は心がせまい女?
私が、まだ夫と付き合い始めの頃、夫の友人や後輩たちとの年末の集まりで、私は40人以上の若いメンバーの前で、こう言われました。
「この中でお前が最年長やで!敬わなあかんな~(笑)」
別に年齢を隠しているわけではないけれど、初対面の人もいる中で、いきなり皆の前で「最年長」と指摘されるのは、何とも言えない居心地の悪さがありました。
周りも冗談ととって、和やかな雰囲気。
でも私はやっぱりモヤモヤして、
「なんでそんなん言うん?失礼やろ。」
と、素直に言うと、
「本気にすんなよ~(笑)冗談やろ」
ここで私は、「冗談を本気にして、私ってば大人げない」って、感じてしまったんですね。
これこそがモラハラ夫の求めるものなんですよね。
周りの人間も言われたターゲット本人(私)も、モラハラ夫の冗談の奥に隠された悪意には誰も気づくことなく、傷つけることに成功しています。
暴言を吐かれたはずの私は、そのことに不快に感じているのに、罪悪感すら感じているんです。
これぞ、モラハラの構図ではないでしょうか。
“違和感”を無視しないで
最初の一言が「冗談」だったとしても、あなたが不快に感じたなら、それは心のセンサーが正常に働いている証拠です。
「そんなことで気にするなんて私が神経質?」
「笑って流したほうがいいのかな?」
そんなふうに自分の違和感を否定してしまうと、加害者の術中にはまってしまいます。
冗談でも、傷ついたなら、それは立派な“言葉の暴力”です。
- モラハラ男は最初、優しい顔をして近づいてくる。
- “小さな冗談”を使って、相手がどこまで許すかを試している。
- 違和感を無視してガマンした女性は、モラハラのターゲットになりやすい。
- 反対に、毅然と「嫌なことはイヤ」と伝える女性には手を出さない。
あなたの心が感じた違和感は、本物のサインです。
その感情にフタをせず、大切にしてください。
自分を守るために――“怒っていい”あなたへ
「こんなことで怒るのは大人げない…」
「冗談くらい受け入れなきゃ…」
そう思わなくて大丈夫です。
あなたが不快に感じたなら、その感情は正当なもの。
そして、こう心の中で言ってください。
- 「私は悪くない」
- 「あれは冗談じゃない。悪意のある言葉だった」
たったこれだけの“逆暗示”が、あなたの心を守る小さな一歩になります。
まとめ:冗談の中の悪意に気づいて
モラハラ夫の「冗談」は、あなたを傷つけるために“笑い”を利用したモラハラ行為の一種です。
その言葉に隠された悪意に気づかず、笑いに紛れてしまうと、気づかないうちに心をむしばまれてしまいます。
「私が大げさすぎる?」
「冗談に怒るなんて変かな?」
そうやって自分の感情を押し込めず、「傷ついた私は悪くない」と、自分の心に正直になってください。
あなたには、冗談という名の攻撃から自分を守る権利があります。
一歩ずつ、自分の感情を取り戻していきましょう。