夫のモラハラに悩んでいる人は、子どもに遺伝しないかという不安があるのではないでしょうか。
「いつか我が子が結婚したときに、配偶者に対してモラハラをするのではないか」
特に我が子が夫に似ていると、モラハラ体質が遺伝するんじゃないかと心配になるのは当然ですよね。
この記事では、モラハラの遺伝についてご紹介します。
モラハラは子どもに遺伝する?
モラハラは子どもに遺伝するのか?ですが、答えはNOです。
モラハラ夫の遺伝子を受けつぎ、血を分けた子どもがモラハラ気質を受け継ぐとしたら、ちょっと恐ろしいですよね。
生まれ持った人格は、夫の遺伝子が50%、あなたの遺伝子が50%で形成されています。
しかしそれだけではなく、 人格形成に影響を与えているのは環境も大きく関係しているんです。
ある程度生まれながらの気質や性格はあるかと思いますが、生まれたばかりの赤ちゃんはまっさらの状態。
そんなまっさらな赤ちゃんが、初めてコミュニケーションを学ぶ環境が家庭です。
生まれてはじめて見る世界。
はじめて触れる人。
はじめて聞く音。
赤ちゃんにとってはじめての世界がギスギスピリピリとした雰囲気と、恐ろしい怒鳴り声。
さげすむような冷たい父の目つきと悲しそうな母の姿だったら・・・
考えただけでも恐ろしいですよね。
モラハラは後天的な環境が原因
モラハラになるのは生まれ持った気質、 つまり先天的なものではなく、育った環境が原因といわれています。
つまり生まれてすぐの赤ちゃんに、モラハラはいないということ。
あのにっくき夫も、赤ちゃんのときはピュアで思いやりのあるかわいい時期があったということです。
それが 家庭環境や親の関わりによって、子どもはその環境で生きるために適応し学び、いずれモラハラになる核を作ることになります。
親のモラハラを見て子どもがモラハラを学習する
家庭環境でよくあるのが、親のモラハラを見て育った子どもがモラハラ化することです。
そうなると、親がモラハラだから遺伝したのかもしれないと感じるかもしれません。
しかし実際は、 家庭の中にモラハラという図式があれば、子どもはその環境に適応するために学んだ結果、モラハラになるケースが多いのです。
父親が母親に対してモラハラ行為や虐待行為をしている姿を見て育つと、虐待行為が正しいこと、人を傷つけることが良いことと学んでしまうのです。
カナダの心理学者、アルバート・バンデューラ博士の実験で 「ボボ人形実験」というのがあります。
Aのグループの子ども達には、大人がボボ人形に乱暴をしているのを見せる。
Bのグループの子ども達には、大人がボボ人形で普通に遊んでいる姿を見せる。
というものでした。
後に子どもを1人ずつ別室で遊んでいる様子を調べると、 Aのグループの子ども達がBのグループの子ども達に対して、目に見えて攻撃だったのです。
つまりこの実験から、 身近にいる大人は子どもにとって模範的な存在であり、多大な影響を子どもに与えるということが分かったのです。
一番身近な親が、子どもの前で弱いものをイジメている、暴言をはく、人を傷つける姿を見せていれば、
これが正しいコミュニケーションだと学び、弱い人間をイジメてもいい、理不尽なことでも暴言で言いくるめていい、人を傷つけてもいいと学んでしまうんです。
純粋な子どもは、なんでも吸収します。
良いこと悪いことの判断ができない小さいうちに、弱いものをイジメることを良しとしてしまうと、弱いものをイジメる行為が良いことと学習するんです。
虐待やモラハラが親子間で連鎖しやすいのは遺伝ではありませんが、家庭環境から考えても仕方がないことかもしれません。
モラハラのない家庭でも異常な母の愛情はモラハラを生む
モラハラのない家庭環境で育った人間が、モラハラになることもありますよね。
私の元夫は、おそらくですが、そういったモラハラの家庭環境で育ったわけではありません。(わかりませんが)
幼少期の話を聞く限り、虐待などもなかったようです。
しかし家庭環境にモラハラがなくても、親のゆがんだ異常な愛情がモラハラを育てるんです。
親の過保護や過干渉、溺愛などがモラハラ人間を作ります。
私の元夫は、完全に親のゆがんだ愛情が原因です。
私の元夫の義母は、口では「どうしようもない息子で~」などと言っていますが、まさに息子命!
息子の失敗、悪事について、息子には一切注意なし。
その代わり親が息子の代わりに謝罪に回るという異常性。
自分の息子の悪事は棚に上げて、周りに責任を押し付け、悪者に仕立てる姿は狂気的でしたね。
そういった異常な愛情、ゆがんだ愛情は、たとえ家庭内にモラハラがなくても、モラハラ人間を作ってしまいます。
我が子をモラハラ加害者にしないために
かわいい我が子をモラハラの加害者にしたくないなら、子どもが育つ環境を健全で正常な環境に整えることが大切です。
「夫は子どもには暴言をはかないから大丈夫」
「暴力は振るわないから大丈夫」
ではないのです。
夫があなたに対して暴言を吐く、無視をする、冷たい態度をしている姿が常にある環境が子どもにとって良くないのです。
私の子どもも、あからさまに元夫の影響を受けていたことがあります。
元夫と別居後(まだ交流していた頃)の話ですが、1週間ほど夫の自宅で一緒に過ごしていたときのこと。
私が困っている姿を見て、上の息子が冗談っぽくですが、私をバカにするような言動をとったことがありました。
(夫は私が困っている姿を見て、子どもの前でも冗談っぽくバカにし笑いものにしていました。)
「どうしてそんなこというの?お母さんイヤな気持ちになる。」
それをあなたが友達から言われたらどんな気持ちになる?」と聞くと、息子は困った顔をして 「お父さんも言ってたから・・・」と言いました。
当然ですよね。
父親がやってるんだから、まさか悪いことだなんて思いもしないのは当然だと思います。
だから息子は、何が悪いことなのかわからない様子でした。
(まだ年長でしたしね)
しかし夫と離れた自宅に戻って数日経った頃、同じような状況になったとき、息子は私を気遣うような心配するような態度をとってくれました。
夫と一緒にいたことで夫の影響を受けて、私が困っている姿を見てバカにしたような態度をとっていた息子が、夫と離れることで私を気遣い優しい言葉をかけてくれるという真逆の言動をとったとき、
恐るべしモラハラ夫の影響力!!!!
と思ったものです。
もし子どものために別れられないと思っているなら、私は子どものためにも一日も早くそんな環境から脱するべきだと思います。
まとめ
モラハラは遺伝するかどうかに関して、NOと言えます。
しかしモラハラを許す家庭環境で育つことで、後天的にモラハラになることは十分にありえます。
もし本当に子どものことを考えているなら、子どものためにも早くモラハラ夫から離れることをおすすめします。
経済的な不安やこれからひとりで生きていく不安はあるかと思います。
父親がいないことでさみしい思いをさせるかもしれません。
しかしだからといって モラハラ夫といつまでも一緒に暮らし続けることは、大事な子どもを不健全な間違った家庭環境で育てることになります。
将来子どもがモラハラになったら、子どもは誰にも愛されず孤独な人生を送ることになるんです。
妻に憎まれ恨まれ、最終的には妻と子どもに捨てられ、それでも自分のなにが悪かったのか一生わからないまま孤独な人生を送るのです。
子どもさんの幸せのために大事なことは、健全な家庭環境の中で穏やかに育ててあげることなのではないでしょうか。