モラハラは、妻に罪悪感を与えて支配します。
多くのモラハラ被害者は、「私が悪いから」「私がちゃんとしてたら、夫はこんなに怒ることはない」と思っているのではないでしょうか。
身に覚えのないことでいきなり責められたり、夫のため家族のために一生懸命働いているのに認めてもらえず、否定され続けているのに、被害者である妻が「私が悪いから!」と、罪悪感を抱いてしまうんです。
それはモラハラが、巧妙な罠によって被害者の心をコントロールして支配しているからです。
その支配の方法はいろいろとありますが、その一つが
行為です。モラハラ夫は自分では何もしないで、被害者の罪悪感をあおり、被害者自身が勝手にモラハラ夫の言いなりに動くようにコントロールしているんです。
モラハラ夫が妻に罪悪感を抱かせてコントロールする方法をご紹介します。
私が罪悪感を抱いた小さな事件
モラハラは相手に罪悪感を抱かせて、コントロールして支配していきます。
モラハラ夫は巧妙な罠を仕掛け、「夫にやらされている」ではなく「妻自身の意志で夫の言いなりに動く」ように仕向けます。
モラハラ夫は、妻自身に「私モラハラを受けてる!」「私って被害者だわ」という意識を持たせないようにしているんです。
例えば私の夫の場合ですが、夫が仕事から帰ってきたときに部屋が散らかっていた場合「毎日部屋をキレイに掃除しとけや!」などと威圧的に言ったりしません。
「なんでこんなに部屋が汚いの?」「一日中家にいて何してたの?」と、あくまで冷静に問い詰めます。
しかも全然怒っている風でもなく、諭すような言い方です。
私は午前中に掃除をしていましたが、小さい子どもがいると掃除した直後なのに、なんでこんなに汚いの?ってくらい、すぐに部屋が散らかります。(え?うちだけ?)
そこをいくら訴えても夫は理解してくれません。
「子どもがよく風邪ひくのは、ちゃんと掃除できてないからじゃない?」「なんか今日体中がかゆいわ~」など、毎日掃除しているにも関わらず、
責められます。私の夫はアレルギーがあり、花粉やほこりに反応して、体がかゆくなるんですよね。
家に帰ってきて第一声が「おっ今日はちゃんとふき掃除してるな。床が気持ちいいからすぐわかるわ~」などと、お掃除チェックされる日も少なくありませんでした。
私は負けず嫌いなので、一時期は午前中に片づけと掃除機かけて、夫が帰宅する直前にもう一度掃除機&床拭きをしていました。
忙しくて掃除ができなかった日は、夫が帰る前にもっと部屋をキレイにしないと!という強迫観念みたいなものにとらわれていました。
またある日の夕食に大根の煮物を出したのですが、煮物は大きい方がいいと思い、少し太めに大根を切っていたんですが、それが気に入らなかったご様子の夫。
幼い子どもに向かって「お母さんの切った大根が太いから、味がしゅんでないし固くて食べにくいよな~」「○○(子ども)はまだ小さいから、大根が固いとうまく食べられへんやんな~」と、めっちゃ遠回しに責めてきます。
圧力なべでしっかり煮込んでいるので、ほくほくで柔らかくて、子どももモリモリ食べてたんですよ!
私は「これのどこが固いのよ」「わざわざ子どもにそんな嫌味いうことないでしょ!」と、内心舌打ちしながら聞こえてないフリをしていました。
そして翌日夫が休みだったため、いきなりキッチンに立ち、大根の煮物を作り出しました。
そして子どもに誇らしげに

お父さんが作った煮物は大根が細いから、味がよくしみて柔らかくておいしいやろ~

昨日の大根は太くて食べにくかったよな~

子どもが小さいねんから、もっと食べやすくしてやらなかわいそうやで
といったんです。
私は、「子どもが食べやすい食事を作れない私はダメな母親だ」という気持ちと「私ができなかったことを夫がいとも簡単にこなしている!」という感情に支配されました。
(ちなみにこのときの大根は、細く切れなかったんじゃなくて、わざと太く切ったんですけどね)
だけど私はこの一件以来、大根を太く切ることはできなくなりました。
大根を太く切ろうとすると、なんか心がざわざわするんです。
なんとなく「大根が太いと子どもが食べられない」「大根が太いと固くておいしくない」と、私の心にインプットされてしまったように思います。
口汚くののしられたらまだ言い返せたかもしれませんが、夫は私が罪悪感を抱くような、最も私にダメージを与えられるような言葉と言い方、タイミング、そして時には子どもをだしにして責めてくるのです。
私は当時専業主婦。

主婦が一日家にいてろくに家事もできないのか
と言われたら、返す言葉もありませんでした。
下の子どもが生まれてからは、ゆっくりソファで座って休憩する時間がないほど、一日中バッタバタ。
それでも夫は

いいよな。専業主婦は。どうせ昼寝してるんやろ

昼寝なんかする時間ないよ。ソファで座ってコーヒー飲む時間だってないんよ?

お前はよっぽど効率悪いんやな
と結局嫌味で返されます。
他の主婦はみんなできてる。
私ができないのは効率が悪いせいだと言われたら、そうかもしれない・・・って思っちゃいますよね・・・
夫からの嫌味にストレスを感じつつも、「できない自分が悪い」と思うと、夫を責めることも歯向かうこともできませんでした。
一度「だったら私と同じようにあなたが家事育児やってみてよ」といったことがありますが、返ってきた言葉は

いいよ。俺と同じくらい稼げるならな

俺だって仕事辞めて一日家で家事と子育てだけして気楽に生きたいわ~
と言われてさらに傷つきました。
私はますます頑張るしかありませんでした。
そして私は、モラハラ夫に認められるために、家事を必死にこなします。
いつでも部屋がキレイ。
夕食で手抜きしない。
洗濯も洗い物もためない。
というのは徹底していました。
もちろん至らない点は多々あったと思いますが、私なりに家事も育児もかなり頑張っていました。
当時は作り置きとかして、食事の品数はかなり増やしてたし、掃除も1日2回はやっていたと思います。
だけど夫が私を認めることは一度としてありませんでした。
最初は喜んでくれていますが、すぐに「やって当然」になり、次はもっと上もっと上を求めるようになります。
そしてできなかったときは、ここぞとばかりに責めてきます。
命令はしません。
優しく諭すようにいってきます。
私は勝手に罪悪感を抱き、勝手に家事を完璧にこなそうと頑張っていただけなんです。
罪悪感を植え付けられた妻は、勝手に夫の言いなりに動くんです。
夫から命令もされてませんから、妻は被害者意識を持つことはほとんどありません。
だけど夫の見えない圧力によって、がんじがらめになった妻は、勝手にがんばりすぎて勝手に疲れ、勝手に精神的に追い込まれてしまうんです。
全部自分が勝手にやってること。
そうして
んです。モラハラは加害者であるモラハラ夫だけではなく被害者である妻でさえ、虐待に気がつかないところが恐ろしいんです。モラハラの仕組みをくわしくご紹介します!
妻の罪悪感をコントロールするモラハラ夫
どうしてこんな回りくどいやり方をするのかというと、単純に「自分がひどい人間になりたくないから」です。
モラハラ夫は先ほどの掃除に一件のように、別にいつも部屋がキレイなら満足かというとそうではないんです。
部屋がキレイなら、他のアラを探します。
「大根が太い!」みたいなね。
それこそ重箱の隅をつつくように。
人が見ればそんなのたいしたことないようなことにまで、掘り出してつついてきます。
なんでもいいから妻を責めたいんですよね。
要は「俺の言う通りに動いてね」と言ってるわけです。
でもそれをあからさまに「俺の言う通りに動けよ」というと、偉そうでひどい人間みたいじゃないですか。
そこで、あの手この手を駆使して、
するんです。その手法が「脅し」であったり「威圧」であったり、ときには「優しさ」によってコントロールすることもあります。
たまにものすごく優しくなるモラハラ夫。しかしそれは本当の優しさではありません。モラハラ夫の優しさ。それは妻をコントロールするためのツールにすぎないんです。
これらを駆使して、いきなり怒ったかと思うと急に優しくなって、うまい具合にアメとムチを使いこなすため、妻の神経は徐々にマヒしていきます。
「昨日あんなに怒っていたけど、それは私が至らなかったから悪いんだわ。だって今はこんなに優しいんだもの。私がちゃんとしていれば夫は怒らないんだ」と、罪悪感を抱かせます。
モラハラ夫は声を荒立てなくても、勝手に妻が自分の居心地のいい空間を作ってくれ、自分の思う通りに動いてくれるわけです。
そうすることで、自分は被害者で妻が加害者でいられます。
自分はなにも悪くない。
誰からも責められることも非難されることもありません。
これこそがモラハラ夫が妻をコントロールして支配し、逃げられないようにがんじがらめにする足かせになるんです。
加害者なのに常に被害者面するモラハラ夫!理不尽に被害者になりすますモラハラ夫の被害者意識の理由とは?
モラハラは妻に罪悪感を抱かせ、妻が悪いと思うように仕向けます。
そしてモラハラ夫によっては、
モラハラ夫は日常生活の些細なことで、妻を傷つけます。
とても小さい出来事だと、妻は傷ついたことに一瞬気が付きません。
今のはイヤミ?天然?と思うような、小さく些細なこと。
まるで冗談のようにサラッと。
悪意があるとも思えないけど・・・なんかモヤモヤする!
そういった小さな小さな積み重ねこそが、徐々に大きなダメージになっていくんです。
じわじわ後から傷がえぐれていくのを実感するんです。
小さすぎる出来事だと、悪意があるとも思えないと思いますが、悪意はあります。
モラハラ夫は「冗談」を免罪符にして、妻を傷つける行為をたびたび繰り返します。 モラハラ初期には、あなたが何も悪 …
夫の帰ってくる時間。
あ、部屋が汚い・・・
「あぁこの間も言われたな。夫が帰ってくる前に片づけなきゃまた言われる」
もしモラハラ夫の虫のいどころが悪かったり、タイミングが悪いと、そこからネチネチ暴言が続くこともあります。
どこからくるのかわからない焦りと「やらなきゃ」という恐怖心が、ふつふつと沸いてくるのです。
わかりやすく殴られたり大声で罵倒されるよりも、こんな風にじわじわ追い詰められていく方が、被害者本人が自覚しにくく精神的なダメージは大きいのではないかと思います。
もちろん大声で罵倒することもありますが、一般的な「モラハラのイメージ」と比べると、ずいぶん少ないのでは?と思います。
うちの場合はだいたい、爆発するのは2~3ヶ月に1回程度だったかな?
で、親(私の親のみ)を巻き込むほどの大喧嘩、離婚するしないの大騒動になるのは半年に1回くらいでした。
モラハラ夫のハネムーン期に期を許さないで!モラハラサイクルを知って冷静にモラハラ夫とむきあおう!
夫は本当に「モラハラ」なのか?
大声で怒鳴られたり罵倒されていると、だんだん妻の方も「私の夫。なんかおかしい・・・」と気が付くと思うし、暴力を振るわれたらすぐにでも離れないと!と思いますが、モラハラは実は乱暴なことをすることはあまりありません。
んです。
違和感は感じているし、自分もストレスを感じてはいるんだけど、人に相談してもなかなか理解してもらえず、「そんなのどこの夫婦もあるわよ!」「お互い様じゃない?」「あんないいだんなさんなんだから、何かワケがあるんじゃない?」なんて言われて、やっぱり気の迷いなのか・・・と感じるんです。
私自身夫がモラハラなんて、はじめはよぎりもしませんでした。
そもそもモラハラなんて言葉にたどり着くこともなかったです。
モラハラの特徴はあるものの、「かなり軽度なんじゃないか?」「夫はそんなモラハラっていうほどのことなのかな?」など、疑問に感じることもあります。
今、こうしてモラハラについて勉強していると、「夫はまちがいなくモラハラだ!」と思うときと、「いや、夫はモラハラじゃないのかも・・・」と感じるときもあります。
そんなとき、一方的に夫のことをモラハラだから治らない!と簡単に別居を選んだ自分が、とてつもなく自分勝手で悪いと感じることがあります。
私が実際にあった、掃除の件や大根の件なんて言葉にしたら「そんなことで?」って感じですよね。
大根の件なんて、本当に小さな出来事のひとつです。
モラハラブログで紹介するようなエピソードではありません。
もっと壮絶な経験をされている人もいますし、私にもモラハラの被害で大きな事件は他にもたくさんあったはずです。
だけどふと、今でも大根は太く切れない自分に気が付いたんです。
夫と別居して1年以上も経つのに。
この大根事件は下の娘が生まれる前でしたから、かなり昔の話です。
これこそが、罪悪感をコントロールして妻を支配するモラハラの恐ろしさなんじゃないかと思います。
体がもう覚えてるんですよね。
「大根は細く切ったらダメだ!」ってね(笑)
別れることに罪悪感を感じる妻
モラハラ夫の態度にもう限界だ!別れる!と決心しても、別れること自体に罪悪感を抱いて別れられない女性は意外と多いのではないでしょうか。
夫と別れること、夫を捨てることに罪悪感を抱いているです。
だけどね。
夫と別れることに罪悪感を抱く必要はありません。
夫がモラハラかどうかも、実際のところ関係ありません。
あなたが夫との関係に悩んでいて、いろいろと改善を試みたけど全敗だった・・・もう手はない・・・
夫と一緒にいるのが辛い。しんどい。
だったらもう彼とあなたは、そもそも合わなかったというだけです。
そこに罪悪感を感じることはありません。
あなたは自由に幸せになっていいんです!
モラハラ被害者は、別れを決意しても夫がかわいそうに感じてしまって、つい元に戻ってしまいます。私もそうでした。だけど本当に夫はかわいそうなんでしょうか。モラハラ夫がかわいそうだと感じたら・・・読んでみてください。
まとめ
モラハラ夫は自分のモラハラを正当化するために、妻の罪悪感をあおって自分は被害者面してきます。
だけど本当はあなたはなにも悪くないんです。
モラハラ夫からの理不尽な攻撃や静かな嫌味、冗談みたいな悪意に対して罪悪感なんて感じる必要はありません。
あなたに罪悪感を抱かせて、自分の正当性を主張したいだけ。
そしてあなたを自分の思い通りに動かしたいだけなんです。
あなたが一生懸命働けば働くだけモラハラ夫は、「しめしめ。思った通りだ!こういえば簡単に俺の思い通りに動いてくれるな!これだからこいつとは別れられないぜ」と陰でほくそ笑んでいるのです。
あなたは「私は悪くない。」「加害者じゃない!」ということに気がつかなければいけません。
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